2013年9月、第32回オリンピック競技大会の開催地が、東京に決まりました。”TOKYO 2020″と題されたこの大会は、日本の広い世代の国民から様々な期待が寄せられていました。戦後復興の象徴とされた1964年の第18回大会を経験した世代にとっては、どこかノスタルジックな気持ちになってしまうものでしたし、若い世代にとっては、日本の中心都市である東京で開催されるオリンピック大会はどんなスゴイものになるんだろうと言う未来への期待や願いが込められたものだったんです。この”Epic Japan”でも、日本の文化についての色んなあれこれを、”TOKYO 2020″を通して皆さんにお伝えできるのを楽しみにしておりました。

しかしながら。2019年末から始まったCOVID-19の世界的大流行の影響によって”TOKYO 2020″は開催が延期されることになりました。更に、その世界的大流行の長期化により、翌年2021年夏に開催された大会(オリンピック大会:7月23日~8月8日/パラリンピック大会:8月24日~9月5日)も、開会式/閉会式を含め、全競技に関して一般観客は基本的に観覧不可と言う異例の形で行われました。世界的に海外渡航等の人的移動が厳しく制限されている異常事態下での開催と言うことで、賛否も大きく分かれましたが、関係者の皆さんや競技参加者の皆さん、そして勿論、全世界の一般の皆さんのご協力の下、無事終幕を迎えることができました。とは言え、このCOVID-19の世界的大流行の脅威は未だ終わっておりません。引き続き、警戒が必要です。

率直なところ、残念でなりません。1964年の東京と2020年の東京。半世紀を隔てたそれぞれの東京を通して、日本の文化を皆さんにたくさん楽しんで頂けるとても良い機会だったんですが。やはり、そう言ったことを純粋に楽しんで頂けるような世界情勢ではありませんでした。いずれまた、違った形でそれらを少しずつでもお伝えしていけることができればと願っております。

以下は、この”Epic Japan”のサイトでの、”TOKYO 2020″に関してご紹介したトピックスの記録です。

“2019/11/03 ~ 2021/03/23″掲載

1964年、第18回夏季大会として東京でオリンピックが開催されました。日本で初めて開催されたオリンピック大会です。それから半世紀を超えて2020年、また東京でオリンピック大会が開催されます。

ここでは「東京オリンピック」についてのお役立ち?情報をご紹介しています。

“2020/03/24 ~ 2021/07/18″掲載

COVID-19の世界規模での感染拡大を受けて、2020年東京オリンピック大会の開催延期が発表されました。延期後の開催日時等の詳細については現在のところ、正式な発表はなされておりません。大会の開催延期の決定は非常に残念です。しかし、現在の世界状況を考えればやむを得ないことでしょう。何よりもまず、今はこの世界的な災禍がいち早く終息することと、世界各国/各地の皆さんの無事を心から願っております。

2020/03/24 Epic Japan

“2021/07/19 ~ 2021/09/30″掲載

COVID-19の世界的な感染拡大を受けて、昨年、開催が延期されることになったTOKYO 2020大会ですが、来る2021年7月23日(オリンピック大会:2021年7月23日~8月8日/パラリンピック大会:8月24日~9月5日)からの開催決定が正式に発表されました。

本来ならば、無事開催に漕ぎ着けたことを喜びたかったところですが。ただ、現状としては、世界各地でワクチン開発/接種等による感染拡大の防止対策が進められてはいるものの、新たな変異株の登場等、COVID-19の猛威は依然予断を許さない状況が続いております。本大会もそれらの状況を踏まえた上での開催と言うことになりました。競技の参加者や大会関係者の健康管理面での対策の徹底と言う面から、多くの競技について行動等の特別な制限が決められています。競技中ばかりでなく、滞在期間中の生活面においてもです。非常に異例な状況下での大会実施と言うことで、各競技の参加者や大会関係者の方々も様々な面で苦慮されていることでしょう。きっとご不便ななこと、ご不満なこともとても多いでしょう。このような極めて異例な状況下にも関わらず、来日して、本大会の開催のために協力して下さっていることに心から感謝したいと思います。同時に、皆さんのご無事とご活躍を心から応援させて頂きたいと思っております。

本大会は、関東圏を会場とするその多くの競技について無観客での実施が予定されています。現状を鑑みれば、止むを得ない事とは言え、各競技会場にて実際に観戦できるのを楽しみにされていた方々は本当に残念に思われていることでしょう。本大会の開催は、競技の参加者や大会関係者の方々ばかりではなく、日本国民全体の協力によって支えられています。大会開催に伴う人出/人流の増加を抑えるためと言うことで、飲食店や小売業を始めとしてあらゆる会社や企業が様々な形でその対策に協力して下さっています。やはり、そんな方々全てに対しても、本当に心から感謝すべきでしょう。

まずは何よりも、本大会TOKYO 2020が安全に開催されることを。そして、このTOKYO 2020が何らかのきっかけとなって世界全体が良い方向へと向いていくことを切に願っております。

2021/07/19 Epic Japan

“2021/10/01 ~ “掲載

TOKYO 2020大会(オリンピック大会:2021年7月23日~8月8日/パラリンピック大会:8月24日~9月5日)が終幕いたしました。世界的な感染症の大流行という非常に異例な状況下での大会開催ということで、各競技の参加者の皆さん、そして大会関係者の方々は本当に大変だったことでしょう。開催期間中の体調管理等々、通常の競技大会とは全く異なるものだったことでしょう。心から賞賛と感謝の意を表したいと思います。勿論、本大会を無事開催することができたのは、競技参加者の皆さんや大会関係者の方々のお陰ばかりではありません。飲食店や小売業を始めとするあらゆる日本の会社や企業による様々な形での対策や、日本国民全体の協力。さらには、本大会の開催に声援を送って下さった世界各国/各地域の皆さん全てのお陰と言うべきでしょう。

今回のTOKYO 2020大会は、”参加”と言う言葉の大切さを改めて考えさせられるものだったと思います。1908年のロンドン大会開催時にIOC会長ピエール・ド・クーベルタン男爵が、聖公会ペンシルベニア大主教のエセルバート・タルボット氏の言葉を引用したスピーチの中の一文はよく知られています。

「L’important, c’est de participer」
「The importance of these Orympiads is not so much to win, as to take part」

この”参加”と言う言葉には、きっと様々な意味合いが含まれるのでしょう。おそらくは”何かを共に共有し合い、分かち合う”と言った意味合いも含まれる言葉として捉えるべきなのだと思います。今大会の開催にあたっては、各競技会場の観客の有無をはじめとして、その開催方法についてギリギリまで様々に検討が行われました。そもそも、開催そのものについても賛否両論の声が多くありました。しかしながら、そう言ったこと全てを引っ含めて、この大会に”参加”すると言うことだったのではないかと思うわけです。近代以降のオリンピック/パラリンピック大会の意義は、”スポーツ競技による次世代教育の振興と世界平和実現”とされています。今回のような世界的な異常事態に際して、その開催の意義を問うことや、中止/延期と言った意見やその方策等を挙げることもやはり”参加”すると言うことなのではないでしょうか。きっと今大会の開催を通して、私達が得られたこともたくさんあったと思います。それらが本来の意義通りに、今後の”スポーツ競技による次世代教育の振興と世界平和実現”に繋がっていくことを願ってやみません。

COVID-19の世界的な感染拡大による脅威はまだまだ終わったわけではありません。決して油断はできない状況です。この世界的な災禍が一分一秒でも早く無事終息すること、そして世界各国/各地の皆さんに平和な日常が訪れることを引き続き心から願いたいと思います。

2021/10/01 Epic Japan