海外からいらっしゃる方達が増えると言うことは、それだけ異なる価値観を持つ人達と接する機会が増えると言うこと。日本人の側にもそんな方達への「配慮」というものが必要になるわけでしょう。勿論、お互い故意に不快な思いをさせるようなことは以ての外です。ただ、悪気はなくとも不快な思いをする/させてしまうことって言うのは、異文化コミュニケーションにおいて避けて通れないものだったりしますよね? 「ジェスチャー」の項目をはじめ、「習慣」や「マナー」の違いについてのご理解を度々お願いしてきました。
今回取り上げる「ヌードルハラスメント」。最近、日本でも結構話題になっていたりしました。日本食の中でもかなりメジャーな麺類の食べ方に関して、麺をズルズルと音を立ててすするのが不快だと感じる方がいらっしゃるって話です。人によっては鼻をすするような音に聞こえるとか・・ 結構な衝撃を受けた日本人も少なくないと思います。もっと正直なところを言えば、おそらく不快な気分になった日本人も中にはいたことでしょう。しかしながら・・ では、麺をすする音を不快だと感じた海外の方達の側が、「郷に入っては郷に従え」で我慢するのがいいのかと言えば、それは違うんだと思います。逆に、そんな方達がいる以上、日本人側が「麺類はすすって食べるもの」という「習慣」を放棄すべきかと言えば、やはりそれも全くの間違いでしょう。この「ヌードルハラスメント」の話題は、ある意味で非常にいい機会だったのかもしれません。それこそお互いの「配慮」であったり、異文化への「理解」が求められることだと思うんですね。日本人側からの意見を言えば、ズルズルと音を立てて食べる方が美味しいんです。汁や麺の香りが染み込んだ湯気ごと美味しく食べるには「すする」が正解で、それは日本人の「食」についての文化なんです。でも、異文化を有する海外の方達の中には、それを不快に感じることがあり得るってことをこの件で知ったわけです。つまり、視野が広がったわけですよね?
今後こう言ったことは世界中でもっと増えていくんでしょう。ただその結果が、どちらか一方の文化や価値観によって、もう一方の文化や価値観が萎縮させられたり、否定されてしまったりするようなことにはならないで欲しいと心から願います。折角のめぐり逢わせですから、やっぱりお互いにとっていいものであって欲しいものです。