皆さんは”Yaminabe”と言う鍋料理をご存じでしょうか? “闇鍋(やみなべ)”とは、それぞれ自分以外には不明な材料を複数人で持ち寄って、暗闇中で調理して食べるお鍋のことです。”Secret hot pot”とでも言えばよいでしょうか? 食事を目的とした料理と言うよりは遊びやイベントとしての性質が強いものです。具材やスープの種類にはこれと言った決まりはなく、食べられるものであれば何を用いても構いません。基本的なルールとしては、一度自身の皿に取った物は完食しなければならないと言うこと。まぁ、つまりは通常は好みの食材やスープを用いるところを、何を食べなければいけなくなるか分からないようにして、ドキドキし合いながら食べると言うのがメインの楽しみになっているわけですね。ただし、明らかに料理全体が不味くなってしまう食材や調味料は用いない・・等々、ある程度の節操を弁えたルールは事前に示し合わせておかないと、まぁ、エラいことになります。(それも引っ含めて楽しむって言うことなら、問題はありませんが)後は、お鍋の具材が視認できないくらいの暗闇下で行うわけですから、くれぐれもヤケド等には注意が必要です。
“闇鍋(やみなべ)”と言うものがどう言うものかってことはよく知られていても、経験したことがある人は意外と少なかったりします。実際にやってみると、色々な意味で案配がなかなか難しいんです。ですので、程よい具合の一連の手順例をご紹介しておきましょう。
“闇鍋(やみなべ)”のやり方
⓪ 前準備(灯火下)
それぞれ自分以外の人には見えないように食材を隠して入室します。お鍋を加熱する器具は、真っ暗にした際にお鍋の位置が分かるようにカセットガスコンロを用いましょう。電気加熱式の鍋やIHコンロですと、真っ暗闇下で安全に食材を投入したり、取り皿によそったりするのが非常に困難ですので。
① スープの準備(灯火下)
お鍋の種類は”寄せ鍋”か”水炊き”辺りをベースで。前者の場合は、昆布だしと適量の水を鍋に投入して加熱~煮立たせます。後者の場合は、適量の水を鍋に入れるだけでOKです。この時点で、ポン酢等の調味料や薬味等はそれぞれ取り皿に入れておきましょう。
② 食材投入(灯火管制下)
いよいよ部屋を真っ暗にします。参加者は順番に食材を投入してきます。ここで、投入する食材について推奨する最低限の決まり事を・・
・煮崩れしやすい具材は避ける。
例)コロッケ、天ぷら、唐揚げのような衣が付いた揚げ物等
・ゲル状(半ゲル状)の具材は避ける。
例)ゼリー、プリン、グミ等
・お鍋全体の味を偏らせてしまう調味料の投入は禁止。
カレーの素、キムチの素、イカ墨、ケチャップ等
※調味料類については、それぞれ取り皿によそった分にのみ用いるようにした方が安全でしょう。
③ 加熱
お鍋を加熱します。土鍋等、蓋で鍋の中が見えないものを用いている場合は、灯火下でも大丈夫です。透明蓋のものである場合は灯火管制下で行いましょう。加熱時間については、生食不可のものを投入した参加者は責任をもって必要な加熱時間を申告しましょう。なお、吹きこぼれには要注意です。
④ 実食(灯火管制下)
カセットガスコンロの火で鍋の位置を十分に確認したうえで、それぞれ取り皿に料理をよそって食べましょう。ヤケドにはくれぐれも注意を。
⑤ 食材やスープの追加(灯火管制下)
適宜行ってください。追加する食材やスープの量や追加加熱の調整は慎重に。
⑥ 後片付け(灯火下)
大抵の場合、鍋やカセットガスコンロ、卓上等が取りこぼしや食べこぼし等で結構汚れています。参加者全員で頑張って綺麗にしましょう。
実際に闇鍋をする場合に一番良い方法は、上記①~③の手順を鍋奉行役の人を一人決めて執り行ってもらう事でしょう。もちろん、鍋奉行役の方はどんな食材が投入されているかってことが分かってしまうわけですが、それはそれで、そう言う役得ってことにして楽しむのも良いかもしれません。何にせよ、闇鍋も鍋料理を楽しむ一つの方法なんです。最後に、鍋料理をする際は、くれぐれも換気にも注意しましょう。カセットガスコンロを用いる場合は尚の事です。