旅先では、やはりその国/地方・地域ならではの料理や食べ物を楽しみたいですよね? 海外から日本にいらっしゃる皆さんならば、やはり寿司や天ぷら、お刺身等の和食料理だったり、ラーメン等の麺料理、後はたこ焼きやお好み焼きなんかのような粉モノ料理なんかを楽しもうって感じなんでしょうか? 初めて日本に来て下さった方達には、まずはそう言ったメジャーな日本のグルメを楽しんで頂くのが良いと思いますが、既に何度かいらっしゃって頂いている方達や長期滞在される方達には、もう一歩、二歩踏み込んだグルメ体験を楽しんで頂ければいいなーと思うわけでして。何なら、私達日本人でも割とまだ楽しみ切れていないグルメ体験についての話題と言えるかもしれません。それが、今回ご紹介する”ご当地〇〇”と呼ばれるものです。あ、ちなみに・・ 各地方毎の特産品や名産品等を用いた名物料理の類いのことではありません。市販されているエリアが、その地方や地域に限定されている商品や、全国展開されていない飲食店の料理のことです。この”ご当地〇〇”。日本では、最近何度目かのブームが訪れています。SNS等を介して、各個人が容易に情報発信/収集できるようになったことによって、各地方/地域の人にしか知られていなかったその地方/地域のグルメ情報を知る機会が増えたんですね? 少し前のコロナ禍によって、人々がそう言った情報の発信/収集をより積極的に行うようになったとも言われています。勿論それらの中には、各地方ならではの特産品や名産品を材料にしていることがウリとなっているものもある一方で、単純に事業展開している規模が限定されているものも多いんです。ただ、共通しているのは、その地方/地域に在住している方達にはがっつり認知されているのに対して、そのエリアから外れると、全く知られていないor馴染みがないって言うのが特徴だったりします。全国展開されているものと思っていたら、実は”ご当地〇〇”だった、なんてことはよくあること。近年、都市部で開催されることが増えた”ご当地〇〇”フェアや、地方のアンテナショップなんかで目にすることによって初めて気づくことも結構多いでしょうかね。それを知ってから、余計に”限定感”や”特別感”を感じてしまうって言う、独特な魅力があると言えるでしょう。メディアなんかで取り上げられることも多くなりましたし、限定的にアンテナショップなんかで販売されることも増えており、以前よりも体験しやすくなっています。ご興味を持たれた方は是非お試しくださいませ。以下では、それら”ご当地〇〇”をいくつかご紹介しておきたいと思います。


ご当地パン

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菓子パン/調理パンの類いが日本人は大好きです。ベーカリーショップなんかでも非常に多種類のパンが並びます。それ故に余計にと言いますか、その地方/地域でしか流通していない”ご当地パン”と呼ばれるものもたくさんあるんです。近年の”ご当地〇〇”ブームの火付け役と言えるかもしれません。各県毎、或いは各県とそれに隣接する県の一部ってくらいのせまいエリアでのみ市販されていることが多いでしょうかね。価格もやはりお手頃なものが多いです。小中学生くらいが、日常的に買い食いできるくらいのお値段ってくらい。子供の頃から慣れ親しんだ結果、その流通エリアに在住する人達にとってのソウルフードとも呼べるようなものになっていたりすることも。まぁ、だからと言って、その地方/地域の特産品や名産品が用いられているとか、そう言う性質を有するものは少なかったりします。おそらく、他エリアの人から指摘されるなりするまで、それが”ご当地パン”だと気づかないことが多いのはこのためかもしれません。その一方で、近年の”ご当地〇〇”ブームに乗って、その地域の特産品のPRのために生み出されたものも現れていますね。それらが将来的に”ご当地パン”として根付けば面白いですよね?

ご当地お菓子/ご当地アイス

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現在はほとんどなくなってしまいましたが、戦後の日本には”駄菓子屋”と呼ばれるお店がたくさんありました。子供向けに低価格の菓子類(駄菓子)を販売していたお店です。(駄菓子の価格帯としては\10~\50くらいがほとんど、高くても\100くらいまで) 商品によってはクジ引きが出来て、当たりが出るとおまけ(駄菓子やオモチャ等)がもらえたりしたんです。駄菓子の他にも安価なオモチャが売っていたり、時代が進むとゲーム機やカプセルトイなんかも設置されるようになり、子供達の社交場のような存在でした。そんな駄菓子屋でよく目にすることが多かったのが”ご当地お菓子”や”ご当地アイス”でした。勿論、全国的に流通している駄菓子類と言うのも多くあったんですが、その地方/地域でしか売られていないものも少なからずあったんですね? まぁ、それらが実はその地方/地域限定でしか販売されていなかったと言う事実を知るのは、それらを購入していた子供達が大人になって他地方や地域を訪れるようになってからだったんですが・・ 子供の頃に慣れ親しんだものって、やっぱり思い出深いものです。で、ふと駄菓子が売っているのを見かけて、自身の思い出を辿りながら眺めてみると、アレ? こんなのあったっけ・・?ってなることがよくあるんです。他の人にとっては、あー、コレ懐かしい~、よく食べてたー、なんて言うものが、自分にとっては初見だったり、またその逆だったり・・ そんな具合に、他の人との共通の(或いは、異なる)思い出が見つかったりするのが、”ご当地お菓子”、”ご当地アイス”の面白いところだったりするわけです。1990年代後半以降くらいからは、残念ながら、駄菓子屋は急速に減少していきました。スーパーや総合商業施設、更にはコンビニエンスストア等の増加が主な原因です。また、日本のお菓子産業も全体的に大きく発展したことにより、昔ながらの駄菓子の類いも需要が少なくなっていったんです。それでも、それらのいくつかはスーパーや総合商業施設、コンビニエンスストア等に現在でも陳列されていたりします。そう言う商品には根強い人気を失わない、他とは違うちょっと特別な魅力があるんだと思います。私達日本人が、それぞれ感じるような特別感のようなものをそのまま共有して頂くことは難しいと思いますが、なかかな個性豊かな商品が多くありますので、ご興味を持たれた方はお試しください。

ご当地チェーン店

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飲食物とそれらを飲食する場を提供することを目的とした飲食店と言うものが現れたのは江戸時代の頃だと言われています。それ以前からもあるにはあったんですが、一般の人々にもある程度身近になったのは、町民文化が栄えたこの時代だったんです。全国的に戦乱が治まって、長期に渡って平穏な世の中が続いたことが大きな理由と言えるでしょう。その後、明治維新を経て、欧米諸国から様々な新しい文化が流れ込んで来ました。それによって、”食事を楽しむ空間を提供する”飲食店と言うものが日本にも現れました。家以外の場で食事を楽しむ、所謂”外食”と言う文化の始まりでした。まぁ、この頃の”外食”を楽しめる飲食店のほとんどは、やはりまだ上流階級の人々のものだったわけですが・・ それでも、上流階級向けのレストランから庶民向けの食堂や居酒屋と言ったものに至るまで、飲食店はたくさんの種類に分かれていきながらその数を増やしていったわけです。”外食”と言う文化がようやく一般にも定着していったのは、高度経済成長期を迎えた頃のことです。食堂やラーメンや蕎麦、うどん等の麺料理のお店、居酒屋と言った飲食店が非常に身近になっていき、その需要も増える一方だったんですね? そこに現れたのが、チェーン店を展開するファストフード店やファミリーレストランでした。当時の日本人にとって、ファストフード店はとても真新しい感じがするものだったんですね? また、豊富なメニューを取り揃えられたファミリーレストランは老若男女問わず楽しめるものだったんです。こうして、1970年代以降、日本には飲食店が爆発的に増えていきました。ファストフード店やファミリーレストランに追随するように、人気のあるラーメンや蕎麦、うどん等の麺料理のお店、居酒屋と言った飲食店のいくつかもチェーン展開していったわけです。ただ、それらの飲食店の全てが全国的にチェーン店を増やしていったわけではありませんでした。日本はそう広くないながらも、地方や地域毎の食(或いは味)の好みが実は結構細分化されてるんです。同じ類いの料理でも、用いる具材やだし、味付けが結構様々。新しい種類の料理でも、あまり抵抗なくどんどん受け入れる一方で、それぞれが結構自由に自分達好みに変えていってしまうようでして。その傾向は、日本人全体の気質のようなものかもしれません。その結果、意図して限定した地方や地域でのみチェーン店を展開する飲食店も多かったんですね? そうして、それらの地方や地域に特化して根付いたのが、現在”ご当地チェーン店”と呼ばれている飲食店なんです。その地方/地域のソウルフードとなるくらいに馴染んでいる、と言うのは、飲食店としてはかなりの強みと言えるでしょう。全国的に、或いは他の地方/地域でチェーン展開している他飲食店が新しく参入してきても、なかなか人気が伸び悩むなんてことはしょっちゅうなんだとか・・ 旅などで訪れた地方/地域毎に、その地でお馴染みの”ご当地チェーン店”を調べて行ってみるのもきっと楽しいと思います。