近年、日本人はとかく娯楽に”癒し”を求めるようになりました。まぁ、何かとストレスフルな世の中ですから。日本人にとってプラネタリウムは、そんな”癒し”が得られる施設として人気です。意外と日本人でも知らなかったりするんですが、日本は一般公開されているプラネタリウム投影機の設置数において世界有数の国だったりします。その数はなんと約300施設。2024年現在、全国47都道府県全てにあるんです。規模の大小は様々ですが、校外学習の場としての利用やデートスポットとしての利用等、昔から根強い人気のある娯楽施設なんです。現在は、上映内容も施設毎に様々になりました。主には季節毎の国内の星空の様子を投影する形のものが多いですが、海外の別の地域の星空を交えたり、彗星や流星群と言った”天体ショー”の再現と言ったプログラムが含まれているものも。

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さて、どうして日本にはこんなにプラネタリウムが多くあったりするんでしょうか?
日本において、星の運行や暦の作成と言った天文学の分野における研究が全くなされていなかったか?と言うとそういうわけではありません。しかしながら、それらの分野の知識の多くは、やはり海外からもたらされたものが非常に多かったんです。また、太陽や月、星空に関わるような言い伝えや物語と言ったものに関しても、割と日本独自のものって少なかったりするんです。日本独自の”星座”の解釈の仕方なんかもなくはないにしても、世間一般に知られるようなものはあまりなかったようなんです。 何でなんでしょうか? 一説によると、それは国内でその分野の研究が独自に進められる前に、早々にかなり高度なその分野の知識が海外から流入してしまったからなのだとか。出来上がった知識が早々に、そのまんまドンっと持ち込まれちゃったみたいなんですね? まぁ、そう言った大まかな歴史的or文化的背景があったりしたわけですが。じゃあ、日本にこんなにプラネタリウムが非常に多くあるのは何でなんでしょうか? 実は、日本のプラネタリウム投影機って、当初からかなり高度なものだったんです。しかも、戦後まもなくから早々に高度な国産機の開発に成功したんですね? 千代田光学精工株式会社(のちのコニカミノルタ)と、五藤光学研究所。これら2社の開発したプラネタリウム投影機は、世界シェアの半分くらいを占めるものになりました。折しも、当時世界は宇宙開発競争の真っただ中だったりもしましたから、高度なプラネタリウム投影機は人気を博したわけですね。その後、時を経て1998年には、従来の100倍の投影恒星数を可能にした投影機(大平貴之氏が個人で製作)が発表されて大きな話題になりました。

まぁ、そんなわけでですね? 割と気楽に訪れることができる日本のプラネタリウム。皆さんも楽しんでみてはいかがでしょうか? ちなみに・・ 日本の星空はプラネタリウムでしか綺麗に見えない、なんてこともよく言われたりしますので是非に。