新幹線や在来線等、鉄道の駅構内や列車内で販売されている弁当類を”駅弁”って言います。電車での旅における楽しみの一つですね。駅ビルや駅構内、ホーム上の売店なんかに並んでいる”駅弁”を目にすると、なかなか心躍るものです。当然、各地域毎にその種類は色々ございまして。その地方/地域ならではの食材を用いたものだったり、名物料理やご当地料理なんかをメインにしたものもたくさんあるんです。また、その場所毎(或いは販売店毎)に工夫を凝らした容器や包装を用いたりしてて、同じ料理であっても結構違いがあったりします。”駅弁”を見れば、その地方/地域の特産物が分かったりしますから観察してみるととても面白いんですよ? 今回は、そんな”駅弁”のお話です。
主食とおかず類を同じ容器(種類によっては分かれてるものもありますが)にぎゅっと一まとめにする”弁当”って言う食事提供の方式って割と珍しいようですね? 近代以降の日本では、各一般家庭でも”弁当”は日常的に作られてきました。仕事場や就学先なんかに毎日持って行ってたわけですね。また、現在でもスーパーやコンビニエンスストアなんかでも、必ず専用のコーナーが設けられてたりします。色んな種類の料理が食べられて、栄養バランスも良い。また味や風味の保持や保存性等も考慮された調理方法を用いてたりって具合に、”弁当”には日本の料理文化が凝縮していると言えるかもしれません。近年は、この”弁当”文化が欧米を中心に海外でも注目を集めているとか。嬉しいことです。まぁそんな具合にですね? 日本人にとって、”弁当”文化は昔からとっても身近なものだったわけですが。
さて、”駅弁”が販売されるようになったのはいつ頃のことかと言いますと、明治時代(1868~1912年)の中頃くらいだそうです。日本国内に鉄道が整備され始めたのが明治時代初期の頃ですから、鉄道の利用客向けの弁当販売、”駅弁”って発想はかなり早くからなされていたみたいです。当初の”駅弁”はおにぎりとお漬物(たくあん)を竹の皮に包んだ簡単なものでした。実のところ、”駅弁”の元祖に関しては諸説あったりします。よく知られているのは、宇都宮駅で販売された前述のおにぎりセットみたいなものって説ですね(それ以前にも、別の鉄道駅で売られていたって説もいくつかあったりするんです)。また、所謂弁当箱のような容器に取りまとめたものこそ、”駅弁”の元祖だろうって意見もあったりするわけでして。まぁ、少なくとも鉄道の整備が始まった1880年代の内には”駅弁”と呼べるものの販売が早々に始まっていたのは間違いないようです。当初の販売方法は、停車している列車内、或いは列車の窓外に売り子さんが売りに来るって形でした。やがて一般の人々による列車の利用機会が増えるのに従って、駅構内やホーム上の売店、更には走行中の車両内での販売なんかもされるようになっていったんです。当然、”駅弁”の種類も増えていきました。戦後は、特に地方/地域毎に郷土色をウリにしたものが多く販売されるようになりました。各地方/地域の特産品をアピールする役割を果たしていたんですね。全国的に名物として知られる”駅弁”もいくつも生み出されました。
かつては、”駅弁”は各地方/地域を訪れなければ楽しめないものだったわけですが・・現在は、全国的に有名な名物”駅弁”なんかは、他の主要都市の大きな駅でも購入できるようになってたりします。大型商業施設等で開催される地方物産展等でも購入できたりしますし、ネット販売がされてたりする場合も。素直に嬉しい反面、ちょっと複雑な気持ちにもなってしまいますが。しかしまぁ、とても便利な世の中になったもんだな~っと思ってみたり・・( ̄▽ ̄;) 折角のチャンスですから、皆さんもお見かけの際はどんどん試しちゃって下さいね? また折を見て、オススメの”駅弁”について色々とご紹介させて頂きたいと思いますのでお楽しみにーヽ(≧▽≦)丿