元々は「茶道」において、茶会の主催者(「亭主」なんて言います)がお客様をもてなすための料理です。茶(「薄茶」「濃茶」)を美味しく頂くのがメインで、そのための料理だったんですね。「一汁三菜(或いは一汁二菜)」と言いまして、一つの汁物と刺身(向付)、煮物椀、焼き物の三菜が基本となります。
ただし、現在一般に言われる「懐石料理」は、「和食」のコース料理の意味合いが強くなっています。料理の内容は本来の「懐石料理」を基本としていますが、大体の場合はもうちょっと品数が多くなります。「茶道」における「懐石料理」とはまた別と考えて頂いた方がいいでしょう。そんなわけで、本来の「懐石料理」は「茶懐石」と言われたりします。尚、「懐石」は「もてなし」を意味する言葉です。お料理も「もてなし」の一部と言うことで、本来は「懐石料理」ではなく「懐石」だけでいいんですね。
また同じ読みの「会席料理」と言うものもありますが、これも別のものです。こちらは字の通り、会食(≒酒席)を楽しむための饗応料理のような意味合いのものです。