小麦粉等を練って作った生地に具材となる”餡”を包んで、蒸したり茹でたり焼いたりして加熱調理を施したお菓子です。こちらも大陸から伝えられたものだそうです。”饅頭(マントウ)”や”包子(パオズ)”としてよく知られているものですね。1200~1300年代頃、日本では禅宗の僧達によって”精進料理”の研究が発展しました。で、この”饅頭(まんじゅう)”もそれらの一つだったとか。”羊羹(ようかん)”等と同じく、元々はお菓子として伝わったものではなかったようです。具材となる”餡”は味付けした肉類や野菜類なんかが用いられていたものが、やがて小豆等で作られた甘い”餡”を用いて作られるようになったんだそうです。穀物類の粉を用いて作った生地に具材を包んで加熱する、と言うこのシンプルな調理方法。あっという間にメジャーな調理方法として用いられるようになったかと言えば、どうやらそう言うわけではなかったようでして。既に広く食されていた、米や麦なんかを炊飯したものや、汁物として煮炊きしたものに取って代わるほど一般的には広まらなかったみたいです。一般庶民にも広く知られるようになったのは、やはり江戸時代でした。一般庶民が甘味を比較的容易に食せるようになったのは、非常に影響が大きかったんでしょうね。日本各地で、生地や餡、加熱調理の方法の工夫が様々になされた結果、”饅頭(まんじゅう)”は和菓子を代表するものになりました。まぁ、その種類の数たるやあまりにも多かったりしますので、日本中どこに行っても色んな”饅頭(まんじゅう)”をお試し頂けると思います。ご当地お菓子のお土産としては定番と言えるでしょう。

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実のところ、現在の饅頭菓子の多くは欧米の食文化の影響も非常に強く受けていたりします。生地や”餡”に用いる材料や、加熱等の調理方法に至るまで。和菓子として一般に知られるようになった江戸時代においても、既に伝わっていた南蛮菓子(西欧のお菓子類)の影響なんかも多分に受けていたわけです。当然、明治・大正時代以降は尚のことでした。和菓子の代表として知られる”饅頭(まんじゅう)”ですが、結構近代の日本で生み出されたものなんですよ? そんな経緯を経て発展していったお菓子であるため、現在では日本におけるこの饅頭菓子ってものの定義づけは非常にユルいものになっております。穀物類の粉を生地として使っていて、”餡”にあたるもの(コチラはどんなものでも可)がその生地中に包み込まれていれば、それは饅頭菓子と見なして問題ないんです。生地が蒸しパンみたいなのじゃなくっても、団子っぽい食感のものじゃなくてもイイんです。パイ生地みたいなのでも、クレープ生地みたいなのでもOKってくらいに。和風だろうが洋風だろうが、饅頭菓子です。いずれも”○○饅頭”って名付けても何ら構わないんです。それでも、この”饅頭”と言うものが、和菓子を代表するお菓子として扱われるのは、おそらくどれもが様々な海外の食文化を絶妙に組み合わせて作り出されているからでしょう。そうすることで、実に繊細に日本人の様々な好みに上手く合わせて作られているんです。

皆さんも、日本の色~んな”饅頭”を是非お試し下さいませ。