茹でたアカエンドウマメと寒天、求肥、白玉団子を器に盛り付けて、黒蜜や糖蜜、シロップをかけた和風甘味の一つです。江戸時代の終わり頃に、茹でたアカエンドウマメに蜜類をかけたものが甘味として売られていたものが元になっているそうです。寒天等の他の具材が加えられたスタイルのものが基本形態となったのは、主に都市部で喫茶店等が営業されるようになった20世紀初め頃からのことだとか。浅草辺りが発祥地として知られています。その後、ミカンやモモ、サクランボ、アンズ等のシロップ漬けされた缶詰フルーツが具材として追加されたもの(”フルーツみつ豆”)が主流となりました。その当時は、日本の欧米化が急激に進められていた時代でした。衣・食・住、全てにおいて欧米の文化の影響を強く受けていたんです。それまで庶民に親しまれていた和風の甘味を、洋風食器に盛り付けたり、缶詰フルーツ等の新しい具材と組み合わせることによって、”みつ豆”は喫茶店デザートの定番メニューの一つとなったようです。餅菓子や饅頭菓子類と比べて見た目も色鮮やかでしたから、当時の人々にとってはとても新しい感じがしたんでしょう。昭和初期頃には小倉餡をトッピングした”あんみつ”が登場し、更にはアイスクリームやソフトクリームを追加した”クリームあんみつ”と言ったバリエーションが加わっていきました。この頃には、東京以外の大都市部の喫茶店等でも定番メニューとして提供されていたようです。
まぁ、非常に多種多様なスイーツ類が楽しめるようになった現在では、”みつ豆/あんみつ”はどこの喫茶店でも容易に食べられる甘味ってものではなくなってしまいましたが。しかしながら、日本の甘味が欧米文化と見事に融合した元祖的なスイーツってこともあって、やはり今でも根強い人気があるんです。お見かけの際は、是非とも試してみて下さいね~?