米をはじめとする穀物類の粉やきな粉、砂糖や餡状にした食材、茶類等を混ぜて作った粘土状の素材を用いて作られるお菓子類のことを”練り菓子”と言います。”練り”は材料を混ぜてペースト状にするって意味ですね。”羊羹(ようかん)”のいくつかは、この”練り菓子”に含まれます。そのペースト状の素材の特性上、他の和菓子と比べて更に繊細で多彩な細工を施すことができます。”練り切り”って呼ばれるものがそれですね。海外の方達が”和菓子”と言う言葉を聞いて思い浮かべるのは、ひょっとしたらこの”練り切り”であることが多いかもしれません。食べられる素材から作られているとは思えないような造形のものもあったりしますから、初めて実物をご覧になったらきっと驚かれることでしょう。

非常に丁寧で細やかな細工がなされている”練り切り”のような”練り菓子”とはまた別にですね? その素材そのもの・・かな?なんて思うような”練り菓子”もあります。あまりに特徴的なその食感のために、銘菓として知られているものも多いんです。実際に食して頂ければ、きっとご納得頂けると思います。いくつかご紹介しておきますね?

外郎(ういろう)

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米粉と砂糖、お湯を絶妙な加減で混ぜ合わせて作られるそうです。米粉以外にも、小麦粉やワラビ粉等が用いられるものも。とても不可思議な食感です、ホントに。(; ‘▽ ‘)/~ 尚、発祥については諸説あってよく分からないんです・・ 江戸時代の頃には既に日本各地で同様の製法のお菓子が伝わっていたらしいですね。その独特の食感と同じく、謎な和菓子です。

寿甘(すあま)

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うるち米の粉に砂糖、お湯を加えて蒸し上げたものを更に突き上げて作られます。”餅菓子”の一種としても扱われます。地域によっては、縁起物のお菓子とされています。

ゆべし

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主にクルミを用いる東日本地域のものと、柚子を用いる西日本地域のものとに大きく分かれます。米粉と砂糖(甘味のある調味料や素材)とクルミor柚子を合わせて練ったものを蒸すなどして、独特の弾力のある食感を出したものです。材料や製造方法は各地様々だったりしますが、元々はお菓子というよりは酒の肴や保存食とされていたとも。こちらもまたまた謎な和菓子?です。*( ̄▽ ̄;)*