ご飯に茶、或いは白湯、出汁(だし)等をかけた料理。簡単にご説明するとそんな感じでしょうか。何かしらの“具”を載せないものもひっくるめて「お茶漬け」って言ってもいいようです。
その手軽さ故に、日本の元祖ファーストフードだったとも言われています。戦国時代なんかには、戦の合間にご飯に何かしらの具と白湯をかけた“湯漬け”がよく食べられていたみたいです。いつ頃から食べられていたのかと訊ねられますと、ちょっと定かではないんですね。汁物類をご飯(お米)にかける~なんてことは、おそらく「お米」をどうやって食べるか?ってことを試行錯誤している中で既に行っていたでしょうから、相当古い料理と言ってもいいでしょう。まぁ、“お茶”をかけるって形の「お茶漬け」が一般に広まったのは、番茶や煎茶といった茶類が嗜好品と定着するようになった江戸時代中頃くらいだとか。漬物や焼魚、海苔、佃煮といった“具”を載せるものが主流となったのもこの頃くらいだそうです。因みに、白湯や出汁(スープ類を含む)等をご飯にかける料理は海外でもそう珍しいものではありませんが、わざわざ“お茶”をかけるのはあまりないみたいです。最初はおそらく白湯をかけたものから始まったんでしょう。固くなったご飯でも食べやすくなりますから。さすがに白湯だけでは味っけがないですから、おかずの残りとか、漬物のように塩っ気のある“具”を加えるようになり・・ やがて“お茶”をかけるって形になったって感じですね。
国内各地域で色々とバリエーション豊かなものが生み出されていきました。この辺りは、扱われる食材の種類の増加や食材の流通路の発達なんかにもよりますが、基本的にはその地域の食文化に根差したものを用いた形で定着していったようです。現在では郷土料理となっているものも多数あります。「冷や汁」「鯛茶漬け」「越後茶漬け」「鶏飯」なんかはとても有名です。また、名古屋の「ひつまぶし」のように、元々は「お茶漬け」として食べられていなかった料理の食べ方のバリエーションの一つとして“お茶”をかけるようになったものなんかも。インスタントの「お茶漬けの素」なんかも今やたくさん市販されています。とにかく、びっくりするくらい色んな種類がありますので、機会がございましたらお試し下さいませ。