「和食」と聞くと、皆さんはどんなものを思い浮かべるでしょうか?果たして、「和食」って例えば何じゃらホイ?と日本人が訊ねられたとしてですね・・思い浮かべるものが本当に「和食」かと言えば、実は結構微妙だったりします。厳密には違うんじゃ・・とか、諸説あってよく分からないとか、そもそも元々は海外から伝わった云々と言った感じなんですね?昔っから、日本と言う国は割と異文化の流入に寛容だったんですね。それは「食」の分野も同様だったわけです。「美味しいもの」は全力で取り入れるっ!って、これも「食」に対する強いこだわりだったと。きっとそう言うことなんです。

    そんなわけで、ちょっと乱暴ですがこちらでは厳密さは取っ払いまして・・今現在、これはもう「和食」って言っていいくらいに根付いてしまっている料理も引っ含めて「和食」とさせて頂きます。ただし、ある程度は節度をもって・・まぁ、おそらく説明不要ってものばかりですので。

    蕎麦

    蕎麦粉を使った麺料理ですね。蕎麦粉の配合率によって「〇割そば」なんて言い方をします(例:十割そば)。食感や香りが違ってくるんですよ?因みに、今日のような麺状になったのは割と最近で江戸時代くらいなんて言われてたりします。それまでは、こうボテっとした塊状のものでした。

    つけ汁に浸して食べる方は「冷やし」、温めただし汁に浸かったもの「温(あつ)もの」と言います。本格的な専門店からチェーン店もありますし、ファミリーレストラン等でもほぼ必ずメニューにあります。代表的な日本のソウルフードと言えますね。

    うどん

    小麦粉を使った麺料理。こちらは元々は大陸から伝わった麺料理ですね。「蕎麦」と同様に、「冷やし」と「温もの」があります。やはり日本人にも人気メニューでして、専門店やチェーン店もありますし、ファミリーレストラン等でも定番メニューです。後は、専門の「県」なんかもあったり・・?

    「蕎麦」に比べて、汁に浸しても伸びにくいことと調理のし易さ等のせいでしょうか。かなり具材のバリエーションがあります。「蕎麦」にもあるにはあるんですが、定番化している「うどん」メニューの方が多いって言うんですかね。「きつね」「たぬき」「月見」「ちから」等々・・そのネーミングセンスは感心してしまいます。その辺りが日本の「うどん」は今や「和食」としてしまっていいんじゃないかと思う所以だったりします。

    ラーメン

    これはもう今や「和食」です。おそらく最も現在に近い期間に成立した「和食」文化と言っていいんじゃないかと思います。「だし」や「発酵」等々、日本の「食」へのこだわりがぎゅっと凝縮しています。スープの種類も色々。あくまでざっくりとご紹介するならば、醤油 / 味噌 / しお / とんこつ辺りが基本でしょうか。ここから先はもう・・ちょっと上手く分類できません。色んな分類方法がありますが、どれも面白くって甲乙つけ難いんですよね。ご興味のある方は色々掘り下げて調べてみて下さい。

    尚、大元になっているのはおそらく醤油スープのラーメンのようです。これ、「中華めん」って言います。そもそも日本の麺類は基本的には大陸から伝わった調理方法です。それがこんなにも独自性をもって発展したのはスゴいことだと思ってしまいます。きっとまだまだ色んな風に変わっていくんでしょう。

    日本にいらっしゃった海外の方の多くが、気に入った「和食」を訊ねられた際に出る答えがこれ。「鮨」です。日本人が魚介類を「生」で食べるって言うイメージは大体ここから来てるみたいですね。最初は抵抗を持たれる海外の方も多かったようですが、食べてみると「!!」ってなるようで。実は、この「生」で食べられるようになったのも割と最近なんですよ?

    「鮨」は江戸時代にできあがったと言われています。元々は庶民の今で言う「ファストフード」だったってことは最近ではよく知られています。ただこの頃の「鮨」の具材は決して「生」ではなかったんですね。やっぱり「生」ではアタっちゃったんです・・しかしながらそこで、じゃあ「生」で食べるのはよそう、とあっさり割り切らなかったんですね、先人達は・・酢で〆る、醤油漬けにする、表面だけ炙る/茹でる等々・・何とか「生」に近い形で素材そのものの味を楽しもうとしたわけで。「江戸前寿司」なんかはコレです。まぁ、そんな試行錯誤も色々あった上でですね、食材等の流通経路の発達のお陰でようやく「生」で食べられるようになったんです。

    さて・・「鮨」ってやっぱりちょっとお高いイメージでしょうか?本格的な「鮨」を提供する高級なお店もありますし、当然「味」も値段相応だったりするんですが・・今では日本人にとっても、さすがに「ファストフード」って感じの庶民向け料理のイメージはなくなってしまいましたが。それでも割と気軽に「鮨」を食べられるようになったりしています。

    「回転寿司」って言う素敵な場所があるんですね。最早、アミューズメントって言っていいかもしれません。「鮨」の魅力は、「味」の他にもありますよね?種類の豊富さもありますし、やっぱり見た目も大きな魅力の一つだと思います。で、この「回転寿司」は、その辺りを思いっきり楽しめるところなんですね。敢えてあまり解説はいたしませんが、所謂「鮨」の専門店とは別の魅力がいっぱいです。体験したことがない方は是非一度お試し下さい。

    「鮨」の食材(遅ればせながら「ネタ」と言います)には「旬」と言うものがあります。つまり美味しい「時季」のことです。「旬」のものを楽しむのが醍醐味だったりしますので、お店の方にお勧めを訊ねてみて下さい。

    天ぷら

    「鮨」と並んで海外の方達に人気の「和食」ですね。今日の「天ぷら」は、実は元々江戸の「郷土料理」の一つだったんですね。基本は、小麦粉を使った「衣」を纏わせた具材を油で揚げた料理です。この「衣」、昔は「米粉」を使っていたようです。現在はバリエーションの一つとして敢えて「米粉」を使ったりもします。「衣」にも色々と工夫がなされていますので、ちょっと注目してみて下さい。

    「天ぷら」って実際に調理してみると、なかなか美味しくできないものなんです。「衣」を纏わせる食材(「タネ」って言います)の種類によって、揚げ方を工夫しなきゃいけないんですね。素材感が違いますし、水分量が違いますから。熱のとおり具合の微妙な違いで味や香り、食感が全然変わっちゃうんです。「タネ」の下ごしらえがとっても重要な繊細な料理なんですよ?

    「天ぷら」の「タネ」にもやっぱり「旬」があります。魚介類なんかの他に野菜類、中でも山菜なんかがよく用いられたりしますので、是非とも「旬」のものを召し上がってみて下さい。「!!」ってなりますよ?

    丼もの

    本来なら別のお皿なりお椀なりに盛り付けていいであろう何かしらの料理(「具材」の方が適切?)を、丼に盛ったご飯にのっけた料理。大雑把に説明するならこんな感じでしょうか。

    この「丼もの」、種類がたくさんあります。と言いますか、上記の説明のとおり、ご飯にのっけてしまえばもうそれは「丼もの」ですので・・定番のものを挙げるだけでもちょっと大変なくらいなんですね。しかし、「丼もの」として絶対に欠かせない要素はやっぱりちゃんとあります。それは「ご飯」に合う具材がのっかっていることです。・・まぁ、好みは人それぞれなんで、合うor合わないの基準もちょっと曖昧ですが?

    日本のお米って美味しいんです。今では主食とは言い難くなってしまいましたが、それでも美味しさは変わっていません。そんな美味しいお米、「ご飯」を一層美味しく食べられる具材がのっかっている料理。それが「丼もの」なんです。ど定番になっている「丼もの」は、おそらくそう言う理由からなんです。

    折角なんで、定番ものをいくつか挙げておきましょう。

    ♪ 牛丼、豚丼、鶏丼、天丼、親子丼、卵丼、鰻丼、かつ丼、鉄火丼、しらす丼、うに丼、イクラ丼、サーモン丼・・(この辺りから「鮨」ネタの数だけあります)
    ソースカツ丼、スタミナ丼、アボカド丼、ステーキ丼、ローストビーフ丼・・(この辺りから「肉料理」の数だけあります)
    エビカツ丼、エビフライ丼、かき揚げ丼、豚角煮丼、カレー丼・・(もうホントに料理の数だけ増えていきます)

    ・・やめますね。

    「親子丼」って言うのは、具材に「鶏」と「卵」が使われているから付けられた名前です。すごいネーミングセンスですよね。つまりは「サーモン」と「イクラ」の組み合わせでも「親子丼」なんです。それを元ネタにしたネーミングで、「豚」と「卵」が使われているものなんかは「他人丼」なんて言われたりします。
    ・・もう、何て言えばいいんでしょうかねぇ?