仏教において殺生や煩悩を遠ざけるために生み出された調理方法からなる料理です。中国や韓国、台湾等でも同様の料理がありますね。いずれも動物由来の食材は用いないと言うのが大きな特徴です。
日本では「禅宗」が伝わった鎌倉時代(ざっくり千年くらい前)以降に急速に発達していきました。植物由来の食材のみを用いると言うわけで、味付けや調理方法が様々に工夫されたんですね。味の多彩さに加えて、食感や腹ごたえ等にもこだわった結果、「和食」の調理方法はとても多様化したようです。「精進」っていうのは「雑念を払って一つのことに専心/努力すること」とか「心身を清めること」って意味なんですね。「禅宗」では、日々の営み全てが修行とされているんです。よって「調理」の創意工夫も当然大切な修行の一部だったわけです。
前述の「懐石料理」もこの「精進料理」が基になっています。最近は「ベジタリアン」や「ヴィーガン」の方なんかもいらっしゃいますから、そういう方向けの飲食店ではこの「精進料理」の調理方法はよく用いられています。
また、寺社仏閣等で参拝客が宿坊(寝室のことです)に泊まれるところがありますが、仏門の修行体験の一環として「精進料理」が頂けたりします。ただしこちらはあくまでも参拝客向けの修行体験ですので、くれぐれもご留意ください。