海外でも”surimi”って呼称される伝統的調理方法の一つ。今回は「すり身」のお話です。東南アジアや中国の沿岸部地域でも昔からの調理方法としてあるようですね。魚肉(主にスケトウダラ・ホッケ・エビ・イカ等々)をすり潰したものに卵白や澱粉等の”つなぎ(具材がバラつかないようにする素材)”食材を加えて練り上げ、加熱(蒸すor茹でるor揚げるor焼く)して仕上げる料理ですね。「練り物(ねりもの)」なんて呼び方もします。「かまぼこ」「さつま揚げ」「ちくわ」「魚肉ソーセージ」なんかがよく知られています。カニの剥き身を模した「カニかまぼこ」とかも人気のようですね。厳密には作り方は異なりますが、国内各地の郷土料理に見られる「つみれ」(代表的なのは”いわし”を用いたもの)や「つくね(こちらは”鶏肉”等)」も「すり身」料理の一種と言えます。

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日本での歴史はとても古くって、なんと平安時代(900年くらい前)まで遡ります。宮中料理、つまり当時のお公家様の食していた料理の一つとして「かまぼこ」の記録が残っているんです。魚介類と言えば、やはり傷みやすいのが難だった食材です。生臭い食材ってわけで調理には工夫が必要でしたし、焼いたり煮付たりしてもそうそう日持ちしてくれません。その辺りの解決策として、おそらく先人達は色々工夫したんでしょう。食材を擦った(or練った)ものを加熱するという調理方法は、「精進料理」等において、扱う食材を変えて更に極められたってわけです。

現在では、低脂肪/高タンパクな食材ってことで健康フードとしても海外では人気だとか。スーパーマーケットやコンビニエンスストア等を覗いて頂くと、こちらもなかなかの商品の数が。同じ種類の製品でも、やはりメーカーによって全然味が違いますから色々と食べ比べてみるととても面白いですよ? 国内各地の郷土料理の他、特産品としても「すり身」料理は非常にたくさんあります。楽しんでみて下さいね~。