“オムライス”は、とても典型的な日本発祥の洋食メニューの一つです。この”オムライス”についてご説明する場合、こちらも典型的な日本発祥の洋食料理”チキンライス”について、まずご紹介しておかなきゃです。鶏肉、玉ねぎを小さく切ったものをご飯と一緒に炒めてトマトケチャップで味付けした料理。それが”チキンライス”です。鶏肉の代わりに豚肉やウインナー、ハム等を使う場合も有ります。

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更にはニンジンやコーン、グリンピース、マッシュルームなんかが追加されている場合も。全く具を加えずに、ご飯をケチャップで炒めた(もしくは炊き込んだ)だけのものを”チキンライス”って呼んだりすることも。大正時代くらいの頃、教会等でクリスマスなんかに行われていた慈善会で子供達向けに作られた料理が元になっているって言われております。栄養価が高くって、食べ応えもあるものをってことで考え出されたんだとか。で、この”チキンライス”に薄焼き卵(オムレツ)を被せた料理が”オムライス”です。大体、大正時代終わり~昭和初期くらいに発案されました。以来、日本における洋食店の定番メニューとして、今でも人気のある料理です。

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さてさてですね? 何かしらの料理や具材を薄焼き卵で覆っちゃう、あるいは巻いちゃうって技法は他の料理なんかでも使われるようになりました。”オム焼きそば”や”オム炒飯”なんかがよく知られていますね。この”オムライス”と言う料理が考え出される以前は、卵を溶きほぐして焼くって調理方法が、それまでの日本ではあまりされなかったみたいですね。ほとんどが、煮たり、蒸したりって感じだったんです。

rice-omelet_005かつて、日本において”卵”は高価な具材として扱われていました。ご存知の通り、栄養価が高いですから。第二次世界大戦後くらいまでは、やはり高価な具材だったわけですが、その後国内における卵生産/供給網が安定するとその消費量は爆発的に増えました。日本人は、卵を使った料理がとっても好きなんです。”オムライス”は、そんな日本人の”卵料理好き”のきっかけとなった料理と言っても過言ではないかもしれません。