皆さんはパスタやスパゲティはお好きでしょうか? お好きだとお答えになった皆さんに更にお尋ねします。特にスパゲティがお好きな皆さんには是非お答え頂きたいんですが。じゃあ、「ナポリタン」はお好きですか? おそらく、日本人以外の皆さんの大半の方達が「・・?」って思われるんでしょうね~ えっとですね、「ナポリタン」は日本ではお馴染みのスパゲティのメニューの一つでして。お店によって多少具材の違いはありますが、よくあるのはウインナーと玉ねぎ、ピーマンをトマトピューレを加えたパスタと一緒に炒めたものです。(お店によっては、鉄皿に卵とじを焼いたものの上に盛り付けられたりします)勿論、イタリアのナポリにそんなスパゲティのメニューはないそうですが・・
さてさて、今回ご紹介するのは、日本の「謎料理」です。もう少し正確にご説明すると、”たぶん元は洋食なんだろうけど、結果的に何でそんな名前になったのかよく分からない料理”って感じですね。有名どころをちょっとご紹介してみましょう。
トルコライス:
とんかつ(牛or魚のフライの場合も有り)、ピラフ、スパゲティを一皿に盛り付けた料理。長崎名物?の一つ。別名:大人のお子様ランチ。
イタリアン:
ソース焼きそばにミートソースをかけた料理。新潟名物?の一つ。ホワイトソースVer.やカレーソースVer.等のバリエーションも有り。
天津飯:
かに玉(具入りの卵焼きであればOKとも)をご飯の上に乗っけて甘酢案をかけた料理。中華風日本料理の代表の一つで全国で見られます。
上海焼きそば:
醤油ベース(オイスターソースのものもよく見られる)の海鮮類の具を用いた焼そば。
シベリア:
羊羹(or小豆餡)をカステラの間に挟み込んだお菓子。20世紀初めに日本で考案されたそう。最近も某アニメ映画で登場して話題になりました。
・・いかがでしょうか? 昔から日本は、海外からもたらされる異文化に対して、「食」の分野に限らずかなり寛容だったってお話しは他の記事でも何度もご紹介している通りです。まぁ、その寛容さ故になのか、それとも寛容すぎて妄想が先走りし過ぎてしまったのか・・ ほぼ間違いなく「洋食」カテゴリの料理なんだろうけど、そんな料理は本来存在しないってものを、これまたいくつも完成してしまっておりまして。おそらくですが、日本人の多くも改めて考えてみると「・・?」って思ってます。ただ、それぞれ妙に心魅かれるところがあったりするんです。”私の考えた最強○○”みたいなのに通じる魅力って言いますか・・なかなか上手く説明し難いものなんですが、とにかくそんな感じです。その証拠に、意外と日本で定着しちゃってるんですね~ 必ずしもその料理名にしっくり来ているってわけではないんですが、他の名前だとたぶんピン!と来ない・・ ひょっとしたら、その料理名の命名者の妄想にシンクロしちゃってるんじゃないかと。
海外において、日本料理として紹介/提供されているものの中にも、日本人から見ると「・・?」って思うものが結構あったりするんです。同じ名前の日本料理と比べた場合に、何でこうなっちゃったんだろう?とか、いやいや、日本料理にこんなのはないけど?って思うものはなかなか多いんです。完全に別の創作料理だったりすることもしばしば。規模の大きいお店やチェーン展開してるようなトコで提供されているメニューなんかでも珍しくないんです。日本で食している同じメニューを期待してそれを注文した場合だと、なかなかビックリするものです。こう言ったことも、異文化への理解を深めるにはとても面白い事だと思うわけですが。ただ、別の側面から見た場合に、何かしら誤解を招きかねないことではありますよね? 実際に今回ご紹介したメニューなんかに対しては、現地の方々をはじめとして、海外の方達からお問合せがあったりすることもしばしばなんだとか。どういう意図をもって、そんな料理名になったのか? そんな料理は現地にはないぞ?等々。そもそもの命名者がどういう意図を持っていたのかは分かりません。想像するに、やっぱり根っこにあるのは、それぞれの言葉の持つ異国情緒への憧れだと思います。そして、少なくともですね? これらの謎名の料理に馴染みを持っている日本人に悪意はございません。何だかよく分からない、その異国感が漂う料理に、ただただよく分からない魅力を感じてるだけなんです。その辺りは、何卒ご理解頂ければと思うところであります。まぁ、実際に食して頂いた上で、改めてその料理名について考えてみた時にはおそらく「・・?」とはなってしまうんでしょうが・・