日本の食文化は昔から世界各地から伝えられた文化によって発展してきました。とりわけ明治維新以降は、衣・食・住全ての生活文化において、欧米の文化の影響が非常に強く反映されて行きました。食材、料理、調理方法、そしてそれらを提供する店舗形態なんかも。現在、日本には至る所に飲食店類があります。近代以降に登場した”喫茶店/カフェ”もそれら飲食店類の一つですね。とかく海外からの文化を割と寛容に取り込んでしまう気質のお国柄のお陰でしょうか・・? 実に色んな”喫茶店/カフェ”があるんです。海外でもよく見られる大手カフェチェーン店なんかもたくさんありますが、それ以外のなかなかユニークなものもあるわけでして。いずれも基本的には、やはり近代以降に登場した”喫茶店/カフェ”から派生していったものです。”喫茶店/カフェ”文化は、それ以前からあった”茶屋”とはちょっと違うものとして受け入れられたんですね。提供される飲食物が欧米由来のものが主だったことに加えて、その場所の雰囲気を楽しむ、またその楽しみを感じられることがオシャレだと考えられたんでしょう。当時、日本で広がって行った欧米文化は、実に様々な面でそう言う新しい価値観のようなものを生み出していったようです。まぁ、そんな当時の風潮も相まって、”喫茶店/カフェ”文化も日本人に広く馴染んでいきました。その後、時を経て日本人の趣味/嗜好に合わせてウリにするサービス内容やコンセプトが分かれていった結果・・ 海外のものとはやはり異なった魅力を持つ”喫茶店/カフェ”が出来上がっていったわけです。ただ、それと同時に、かなり特異な”喫茶店/カフェ”も生まれてしまったようですが。
訪れた街や観光地を歩き回ったりすれば、やっぱりちょっと一息つきたくなるものです。そんなちょっとした休憩も、”喫茶店/カフェ”のようなその国/地域ならではの場所に入ってみて頂ければ一層お楽しみ頂けるんじゃないでしょうか。
日本の代表的な”喫茶店/カフェ”
・純喫茶
純粋にコーヒーや紅茶をメインに楽しみたい方達向けの”喫茶店/カフェ”です。提供しているコーヒーや紅茶には、その店主のある程度のこだわりや技術なんかがあったりして、お店の雰囲気と共にそれをウリにしていることが多いでしょうか。菓子類、軽食なんかもアリ。そのお店でしか食べられないものなんかもあったりして、それらが名物化している店舗も多いですね。近代以降、欧米から伝わった喫茶店文化を最も正当に受け継いできている”喫茶店/カフェ”と言えるでしょう。
・チェーン喫茶店
ご存知の通り、コーヒーや紅茶、その他のソフトドリンク類と共に菓子類、軽食等も提供している”喫茶店/カフェ”。国内外の大手企業がチェーン展開しており、店舗数も非常にたくさん。それ故に、利用しやすいと言えるでしょう。飲食物の質が店舗毎に異なることがないのは大きな特徴ですね。
・動物カフェ
イヌやネコと言った動物が飼育されていて、それらの動物を鑑賞したり、触れ合ったりすることができることをウリにした”喫茶店/カフェ”です。他にもウサギ、ハムスター、ハリネズミ、フェレットなんかと触れ合えたりする店舗や、オウムやインコ、フクロウと言った鳥類や、カメ、トカゲ、ヘビ等の爬虫類が飼育されている店舗があったり。特異なところでは、一般の人が飼育していることが珍しいクモやカブトムシと言った虫類を扱っているところも・・ ただ最近は、諸事情により減少傾向にありますね。
・コンセプトカフェ
提供している飲食物自体よりも、一定のコンセプトに基づいたその店舗独自のサービス形態をウリにしている”喫茶店/カフェ”です。勿論、それぞれのコンセプトに基づいてある程度のこだわりがある飲食物を提供しているお店も多くあって、名物商品が人気となっている店舗も多くあります。
・ジャズ喫茶
ジャズのレコードがBGMとして流されているのがウリとなった”喫茶店/カフェ”。日本におけるコンセプトカフェの元祖とも言えるもので、1950年代に登場して話題になりました。他の”喫茶店/カフェ”とは異なる独特なオシャレな雰囲気が人気を博したようです。現在は非常に数少なくなってしまいました。
・ゲーム喫茶
1970年代にスペースインベーダーを始めとするアーケードゲームが世界的に大流行しました。で、そのゲーム筐体をテーブル代りに用いた”喫茶店/カフェ”が非常にたくさん現れたんです。現在でも、当時のゲーム筐体をそのまま置いてある店舗なんかもあったりします。レトロゲームを楽しめるってことで人気があります。
・メイド/執事カフェ
おそらく海外の方達が最も衝撃を受けた日本ならではの”喫茶店/カフェ”かもしれません・・ 大丈夫です。当時、多くの日本人もびっくりしましたから。メイドや執事のコスプレ衣装を身に着けた従業員さんが接客してくれるのがウリです。接客方法もきちんとそれらのコンセプトに則った形になっているのがスゴいところでしょう。どうやら他にも、何かしらのテーマに沿った従業員さんによる接客サービスが楽しめるものが色々あるみたいですから、ご興味を持たれた方は調べてみてはいかがでしょうか?
・カラオケ喫茶/ゴーゴー喫茶
1950~1970年代に流行しました。音楽娯楽をウリにした”喫茶店/カフェ”です。お客さん同士がカラオケやゴーゴーダンスを楽しめたんですね。お酒なんかの提供もあったりしましたから、正確には他の”喫茶店/カフェ”とはちょっと異なるものかもしれません。
・和カフェ
海外からいらっしゃる方達向けに、店舗の外/内装や食器類、従業員さんの服装、提供する商品等々が”和風”であることをウリにした”喫茶店/カフェ”です。また、古民家をそのまま店舗化した”古民家カフェ”って呼ばれるものもあったりします。いずれも、海外からのお客様ばかりでなく日本人のお客様にも人気があったりします。
・マンガ喫茶/インターネットカフェ
本記事のテーマとは明らかに異なるものの、名称上は”喫茶店/カフェ”の名を冠していると言うことでご紹介しておきます。まぁ、日本における喫茶店の主な店舗形態の一つであることは間違いありませんから。マンガやDVD鑑賞、インターネット利用等のサービス利用が可能な娯楽施設です。一応、飲食物の提供もアリ。