スパ、マッサージ、お買物、お食事なんかが楽しめる施設です。「スーパー銭湯」なんって呼び方もされる通り、設備の豪華な(or多種多様な)「銭湯」ですね。あ、ただし厳密に分類すれば、「スーパー銭湯」とも別モノって扱いなんですが。色んな種類のお風呂や、露天風呂、サウナ等々、普通のお風呂とは違うお風呂なんかがまとまった総合入浴施設なんですね。因みに「温泉」のお湯を使っているところもあったりします。加えて、宿泊できるところもあったりします。ん?温泉旅館との違いは?と思われますよね~? そうですね・・お風呂等の入浴設備が楽しめる総合アミューズメント施設って言えば、違いがお分かり頂けるでしょうか? “お風呂の遊園地”的な感じと言いますか・・ 他にも、マッサージ施設やカラオケ、ゲームセンター、飲食店(食事ばかりでなく、お酒やスイーツなんかに特化したところもアリ)、観劇場、休憩室・・って言った具合に、とにかく色々お楽しみ頂けます。ちなみに。「健康ランド」は”宿泊”ではなく”休憩中の仮眠”ができる施設って言う扱いなんです。そのため、24時間営業しているところも結構多いわけです。まぁ、公衆浴場の一つではあるのですが、所謂「銭湯」や「スーパー銭湯」よりもレジャーランド寄りってことで、水着着用可の施設もあったりします。ご家族でのご利用(特にお子様連れでのご利用)なんかには、その方が気兼ねなくっていいかもしれませんね。ただし、当然施設によりけりだったりしますので、利用前には必ずご確認下さいませ。
日本の”公衆浴場”の歴史
温泉や銭湯なんかが多いことからお分かり頂けるように、お風呂は日本の文化の代表の一つと言えます。”お湯にとっぷり浸かる”って言うのは、とても一般的な習慣として根付いているんです。それ故に。その工夫やサービスもはやはりとっても充実しています。有名温泉地の旅館やホテルなんかとはまた違う楽しみ方ができます。訪れた地域で探してみても損はありませんよ?
“公衆浴場”にあたる入浴施設が日本に現れたのは、江戸時代中期頃のこと。当時はまだ入浴は習慣化していませんでした。まぁ、何日か毎とかに水浴み(湯浴み)なんかをするくらいのものだったようです。そのため、江戸時代の入浴施設は”入浴”を目的としたものと言うよりは、社交場の一種みたいな認識だったとか。天下泰平の世の中になり、町人文化がどば~っと栄えるようになった時代でした。で、まぁ、ようやく身分の違いを超えた人と人の交流の機会が急激に増えたんですね? そのため、この当時の入浴施設は様々な身分の人々、つまり武士、町人、商人、職人、農民なんかが一緒に利用し得る場所だったわけです。加えて、当初は混浴だったりするところもあったようですから、なおさら社交場的な性質が強かったんでしょう。
そんな具合に、日本文化の一つとして登場した”公衆浴場”ですが。明治維新を経て、時代は近代へと移り、日本人の衛生観念の向上に伴って”入浴”に主眼を置いた施設へと変わっていきました。まだまだ個人宅毎に”お風呂”が設えられるほどではないものの、”入浴”は着実に習慣化していったんですね。で、”公衆浴場”として”銭湯”が登場しました。”入浴”することが主目的ということで、公序良俗の面からも男女別々の入浴場を利用する形が一般的になっていました。高度経済成長期を迎えるまで、この”銭湯”は間違いなく日本人の日常生活の一部となっていました。1960年代頃には全国に22,000軒もの”銭湯”があったんだとか・・(当時の日本の人口は大体1億前後くらい)勿論、その軒数にはある程度の地域格差はありましたが、全国的に一般的な施設として存在していました。
しかしながら、1970年代を境に個人宅毎に”お風呂”が設えられるようになり、その数は急速に減少しました。その結果、”銭湯”は”敢えて”訪れる入浴施設へと変わっていきました。いくらかの”銭湯”自体はそのまま残りましたが、この”敢えて”訪れる入浴施設という性質にサービス内容を特化したのが”健康ランド”ってわけです。”銭湯”よりも非日常感、あるいは特別感のようなものを有していて、観光地に特化した”温泉”よりも安価で気軽に訪れることができる”入浴”可能な施設。まぁ、現在の”健康ランド”に見られるようにアミューズメント面でのサービス充実に特化していくのは自然な流れだったとも言えるでしょう。また、この”健康ランド”って言うネーミングが何とも。色んな意味で、とっても時勢に合っていたと言わざるを得ません。高度経済成長期、バブル景気・・ 色々あって、健康ブームや個人向け娯楽の多様化などなど。改めて考えても、すごいネーミングセンスだと思います。
そして・・ 個人の健康意識の増加や個人毎の娯楽の多様化等に伴うニーズに応えて近年増えてきたのが”スーパー銭湯”です。アミューズメント寄りな”健康ランド”に対して、”癒し”とか”休息”って面での需要に特化した入浴施設と言えばいいでしょうかね。ある意味、むしろ”健康ランド”よりも”健康”向けのサービスに注力しているかもしれません。一般的には、”温泉”>”健康ランド”>”スーパー銭湯”>”銭湯”って感じの価格帯ですね。面白いのは、いずれもやはりそれぞれ独特の魅力があるってところです。それぞれが継続的に色々と差別化を図っており、今後も日本文化を代表する”娯楽”施設と言えるでしょう。果たして、次はどんな”公衆浴場”が登場するのか・・? なかなか楽しみですね。