現代の日本においては最もかしこまった座り方です。剣道や柔道等の武道、茶道、華道等の芸道、更には神事や仏事等の儀礼の場でも用いられる非常に基本的な作法と言えるでしょう。しかしながら、「正座」という名称がつけられて正式な礼儀作法とされたのは意外にも明治時代以降のようです。その座り方自体は、おそらくずーっと大昔からされてきたのでしょうが、正式な場でのかしこまった座り方として広く認識されたのは江戸時代に入ってからだとか。
元々、日本は着物文化です。やはりそれに最も適した座り方だからこそ正式な礼儀作法とされたのかと言えば、どうも一概には言えないみたいです。着物にもその形状等には色々種類があるんですね。当然座り方にはそれらが非常に影響するわけです。着崩れが起きないように、またその所作がみっともなくないようにとなるとなかなか大変なんです。そのために着物は着物で色々と工夫されたようですし、座り方の作法の方もこれまたああでもない、こうでもないと考えられたようです。そんなこんなでようやく今の「正座」という座り方ができあがった・・?できあがったと言うのは、どうも語弊がありそうですが、まぁ、今の形になったんですね。
さて、「正座」と言えば、「痺れ」です。なるだけ背筋を伸ばして座る、腹筋をゆるめない、左右の足を八の字状にしてお尻を足の間におさめる、等々。「痺れ」を防ぐ方法も色々と挙げられているのですが・・やはり一番の方法は「無理をしない」です。何とも叱られそうですけど、慣れないと相当に足に負担がかかりますので。一言断って、少し遠慮がちにしながらそっと崩しましょう。
ところで・・「正座」という座り方の作法にも色々と流派があるんです。着崩れが起きないこと、そしてその所作が美しいこと。これらを大前提として、いずれも非常に工夫されています。ご興味のある方は調べてみて下さいね。