日本の家屋は土足禁止、履物は脱ぐのが基本というのは既にお話ししました。ところで、裸足はOKなのかしら?そう思われた方もいらっしゃるでしょう。実のところ、なかなか微妙なところです。勿論、普段自宅では裸足というのは日本人では珍しくありません。室内スリッパを使う方もいれば、靴下は履いているという方もいます。

では他所ではどうかと言いますと・・ まぁ、お互いに失礼に当たるという考え方もあるわけです。家主側は、お客様を裸足で上がらせるなんて気遣いがない・・ お客側は、他所様の家に裸足で上がるなんて配慮が足りない・・ と言った具合でしょうか。そんなわけで、例えば旅館や飲食店等でもお客側が履物を脱ぐ必要がある場合には、お客用のスリッパ等を用意しているところも多くあります。一般の家庭や土足禁止にしているオフィス等でもよく見られる風景だったりもします。

さて、今回取り上げている「足袋」ですが・・ 一応は日本の伝統的な衣類の一つなんです。分かりやすく言ってしまえば、靴下の一種です。やはり日本では昔から使われている下駄や草履等を履くことを想定して、足先が親指とそれ以外の部分に分かれています。また、小さい鱗のような形をした小鉤(こはぜ)という留め具や足首部分の紐で固定するのも大きな特徴です。「竹取物語」が成立したとされる頃・・千年ほど前には用いられていた本当に伝統的な衣類なのですが、日常生活から和装が遠ざかってしまった日本人にも実はあまり馴染みがありません。指分かれした形状の靴下は割と人気なんですがね・・

ただ、実際に履いてみると明らかに靴下とは違います。と言うか、他の履物にない履き心地がします。畳の上を歩く機会がある方は一度お試し下さい。妙に畳との相性が良かったりしますので。