海外の方達にも中々好評な日本特有の伝統的な床材です。夏は暑く湿気が多い、冬は寒くて乾燥している日本の気候の特徴を踏まえた非常に優れた床材とも言われます。構造としては、板状の芯材(畳床)を藺草(イグサ)を編み込んで作った敷物状のもの(畳表)で包んだものになります。程良い硬さと弾力性、両方を兼ね備えているために、床生活中心である日本の生活スタイルにとても向いていたんですね?

実際に家屋を建てるといった機会になるまで意外と知らなかったなんてことが多いのが、サイズ規格が色々とあること。現在の一般的な規格としては、京間、中京間、江戸間、団地間の4種類が主ですが、地域によって更に分かれていたりします。そんなわけで・・ 社寺をはじめ、お食事処や宿泊場所等で畳を目にすることがあった際にはサイズに注目してみて下さい。一見同じように見えて、細かに違っていたりしますので。主流で伝統的な床材であるにも関わらず、どうして統一規格にならず今現在に至るか・・? その点につきましては、なかなか細かに諸説ありますので割愛しますがなかなか面白いものです。興味のある方は是非お調べ下さい。同時に、畳の敷き方にも注目して頂くと面白いと思います。大きく分けて二つ、祝儀敷きと不祝儀敷き。前者は畳の四つの角が一か所に集まらないようにする敷き方で、一種の「験かつぎ」です。日本では「四」という数は、「死」と音が同じことから色々と避ける考え方があります。この「験かつぎ」については非常に様々なところに散らばっておりますので、他の記事でも都度都度触れていきたいと思います。後者は葬儀の際等に用いられる敷き方です。敷き方を変えることで、その部屋(家)の状況を表すわけですね。社寺や大広間では見た目の様式美や合理的な観点から後者と同じ敷き方が用いられますが、実は意味合いが違ったりするんです。

「和室」での基本マナーの一つに「畳の縁を踏まない」というものがあります。「敷居」についても言えることですが、基本的に「境界線」にあたるものを侵さないというのは日本文化の特徴と言えるでしょう。一方で実用的な面ではやはりモノを「長持ち」させるため。合わせて、つまずいたりしないようにといった「安全確保」のためと言うのが主な理由と考えられています。それからもう一つ、畳敷きの部屋へ入る際の基本的なマナーとして覚えておいて頂きたいのが、裸足で上がり込むのは避ける、と言うことです。原則、室内履きの類も脱いで入室しましょう。汚れてしまったり、傷んでしまったりするからって理由もあります。しかしそれだけでは決してなくってですね? お座敷等に敷かれている畳は、室内の床に直接座ることがないようにするためのものです。これはつまり、家人のお客様への気遣いやおもてなしなんです。そう言ったものを無下にしないって言うのも大切にしているのが、日本のマナーや習慣だったりするんですね? まぁ、残念なことに、最近は日本人の方がそれらを忘れがちだったりもしますが・・

いかがでしょうか? ほんの少し掘り下げるだけでもなかなか面白いものではないでしょうか?