日本の食文化で特徴的なものの一つとして「生食」があります。「生食」の代表的な和食としては、「お鮨」や「お刺身」なんかはよくご存じでしょう。「お鮨」や「お刺身」等のような魚介類(肉類)なんかの「生食」文化が一般的に可能になったのは結構近代になってからなんですね。食材の運送に必要な交通網の発達や、食材の鮮度を保つための冷蔵/冷凍技術等の発展あってこそのものですから。まぁ、できる限り「生食」に近い形で食するための努力なんかは結構昔から色々と試みていたようですが。その辺りの試行錯誤については「お鮨」に関する記事でも触れさせて頂きましたが・・ 因みに、日本で野菜類を生食するようになったのは、魚介類や肉類を「生食」に近い形で食するための工夫から一般的になった面もあるんです。ネギ、シソ、ショウガ、ニンニク、ワサビといった「薬味(やくみ)」の類なんかによって、魚介類や肉類の生臭さを消そうとしたんですね。野菜類を生食する料理と言えば「サラダ」ですが、日本で「サラダ」って調理方法が知られるようになったのは近代以降。一般の食生活に取り入れられるようになったのは戦後のことと言っても過言ではないんです。「薬味」として用いる以外は、基本的に野菜の類の調理方法は茹でるが煮詰めるか、或いは「漬物」なんかにしてたんです。ちょっと意外かもしれませんね?
日本の食文化が海外でも知られるようになった現在では、「お鮨」や「お刺身」は結構人気なんだとか。海外の和食レストランなんかでも普通に提供されているようです。魚介類や肉類を生食する、もしくは生食に近い調理方法で食する、っていうのは何も日本に限ったものではありません。しかしながら・・未だに海外の方々が驚かれるのが「卵(鶏卵)」を生食するってことだとか。こればっかりはかなり珍しいそうですね? 割とお試し頂くと「美味~っ」ってなることが多い和食ですが、「卵」の生食は食わず嫌いの方がとっても多いみたいです。勿論、日本人でも苦手な人はやはりいるにはいるんです。でも、日本ではかなり一般的な食し方であることは間違いないわけでして・・ そんなわけで、まぁ何となく”是非お試しをっ!”って具合にはオススメはいたしませんが、「卵」の生食は日本ではごくごく一般的なんですよ~ってことをお伝えしたかったわけです。
そんな「卵」を生食する代表的な和食がコレ。「卵かけご飯」です。ひょっとしたら、国民食の元祖って言ってもいいかもしれません。基本は、ご飯に生卵とお醤油をかけただけの手間いらずなシンプルな料理です。お好みで「かつお節」や「じゃこ」なんかを振りかけたりします。実は最近は「卵かけご飯」専用のお醤油(だし醤油とか)なんかも色んな種類が販売されてたりします。しかも結構人気なんですよ? “それでもやっぱり「生卵」を食べるのはちょっと遠慮したい”と言う方には、「温泉たまご」をお勧めします。ちゃんと熱を通す調理を施して、半熟ちょっと未満くらいの状態になった卵の料理です。各ご家庭で作ることもできる、とても美味な卵料理です。じゃあ早速、お試し頂きましょうか?