言葉には、その発信者の意図するニュアンスや感情と言ったものが含まれます。他人とのコミュニケーションにおいて難しいと言われるのが、そのニュアンスや感情をいかに正確に、或いは上手に伝えるかってところ。同じ文化を共有している者同士や、同じ言語を話す者同士の間ですら、難しいわけですから・・ まぁ、文化や言語が異なれば、それは尚更難しくなりますよね? どの文化圏の言語においても、明確にある一つの意味しか持たない、他のニュアンスや感情を含まないって言葉自体そうそうありません。ですから、その言葉を発信する側の”伝えようとする意志?や情熱?”は勿論のこと。それを受信する側の”理解しようとする意志?や情熱”も非常に重要でしょう。双方の”思いやり”や”気遣い”って言い換えてもいいかもしれません。

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さて、そんな”思いやり”や”気遣い”がこもった日本語として、是非ご紹介したいのがこの”お疲れ様です”って言葉です。日本のビジネスシーンではかなりお馴染みの言葉だったりします。同僚同士や親しい間柄同士の場合は、”お疲れ~”って使い方が多いでしょうか(※”です”を付けるのは丁寧表現)。この”お疲れ様です”って言葉を他言語に翻訳する場合、そのシチュエーションや込められる気持ちや想いによって全く異なるものになるんです。何かしらの業務や任務を遂行した(orしている最中)ことに対して、それらを評価していることを伝える”いい仕事をしたね”、”満足な結果だね”って意味合い。”大変だったよね”、”労力がかかったよね”って感じに、相手の労をねぎらう意味合い。”頑張ってくれてありがとう”、”任務を遂行してくれてありがとう”と言った、感謝の意味合い。”こんにちわ”とか”やあ、調子はどうだい?”って感じの軽い挨拶としての意味合いなんかも。これらのいずれの意味合い、或いは全てが引っ含められているのがこの”お疲れ様です”って言葉なんです。コレ、別に必ずしも同じ職場やビジネス上の付き合いのある人同士でのみ使われるものではないんですよ? 例えば、治安のためにパトロール活動をされている警察官の方や、公共施設なんかで清掃作業をされている方なんかに一般の人が感謝の意を示して使うこともよくあります。言い換えれば、その人がしている何らかのことが世の中のためになっている、巡り巡って自分に恩恵を与えてくれている、ってことに対する感謝や労いを表しているって感じでしょうか。このようなニュアンスを総括的に含んだ言葉はとても珍しいんだとか。

“O-Tsukaresama-desu”
皆さんも是非使ってみて下さい。