今回は”オノマトペ”についてのお話です。所謂、「擬音語」「擬声語」「擬態語」ってやつですね。”オノマトペ”って各言語や各文化圏によって、まぁ・・とっても様々です。動物の鳴き声なんかはギリギリ、その音の感じや雰囲気が似通ってるようなのは感じ取れることが多いですが・・ 「擬態語」の類になってくると、結構・・ ぶっちゃけ”???”ってなることが多いんじゃないでしょうか。音や声を文字として表す場合は、言語圏や文化圏が異なっていてもその言語で用いられる文字の有する発音種類さえ判ればある程度納得できることが多いですが。いや・・ そうでもないですかね・・( ̄▽ ̄;) まぁ、言語圏や文化圏が異なると、この”オノマトペ”ってものはなかなか困りものです。ピンと来ないことがほとんどじゃないかと・・
近年、日本のアニメやコミックが海外でもよく知られるようになりました。アニメやコミックは”オノマトペ”の宝庫ですよね? で、異なる言語圏や文化圏にそれらを紹介する際には、当然翻訳が必要になるわけですが・・ 日本語ってこの”オノマトペ”の種類が非常に多いんです。しかも、結構独特なものが多かったりするんですね? 作者によっては、一般的な”オノマトペ”とは異なる、とっても個性的なものを創作して用いている場合もたくさんありますし・・ 異なる言語圏や文化圏向けにそれら”オノマトペ”を翻訳して紹介するとなると・・ これが結構ムズカしいようです。ピッタリ当てはまる訳語がなかなか見つからないんです。故に、それに近い”オノマトペ”を当てはめるってことが多いみたいです。日本語は表音文字にあたる平仮名”あ、い、う・・”と、カタカナ”ア、イ、ウ・・”。それらに表音/表意文字である漢字を組み合わせることによって成り立っている言語です。それに加えて、他言語をその音のまんま、それっぽい表記にして取り込んで用いてしまう言語なんですね? しかも、それらを個人がそれぞれ勝手に用いても、そのニュアンスが割と一般に通じてしまうって言う、なかなか不可解な特徴を持つ言語だったりするわけです。ですから、自然と”オノマトペ”の種類が膨大なものになってしまうというわけです。
おそらく、海外の言語のある”オノマトペ”一つが有する意味合いやニュアンスは一つではなく、発信者/受信者それぞれによって様々なんでしょう。シチュエーション等によっても違うでしょうし。その点、日本語における”オノマトペ”はその意味合いやニュアンスをどうにかして細かく丁寧にそれっぽく伝えようとする言語表現様式なんだと思います。これは何も近代になって、海外文化との交流が増えてからの話ではありません。ずっと昔からなんです。古典や和歌なんかを見ると、日本人が昔っから、何かしらの情景や誰かしらの心情と言ったものを”オノマトペ”によって何とか細やかにそれっぽく伝えられないかと苦心惨憺?してきたかが垣間見れる気がします。”オノマトペ”を理解できるようになったら、きっとその時が、その言語圏の文化を理解できた時なのかもしれませんね?
日本語における独特な”オノマトペ”のパターン
・「擬音語」「擬声語」:
聞こえる音や声を、そのまんま表音的にそれっぽく文字化したもの。この類の”オノマトペ”は他言語に翻訳されても、割とニュアンスが伝わるモノが多いでしょう。
例)ドリル音
日本語ですと、”ギューン”、”ギリギリギリ”等。英訳すると、”GYUUUN”、”GIRI-GIRI-GIRI”等ですね。
・「擬態語1」:
その見た目の様子を、それっぽい音に置き換えて文字化したもの。この類の”オノマトペ”が最も利用頻度が多いでしょう。表現者のセンスと、それを受け取る側のセンスが問われます。
例)ゆっくりした様子、動きが鈍い様子
日本語ですと、”のそり”、”のろのろ”が一般的。英訳すると、一般的には”SLOWLY”でしょうが、日本人の感覚では音に当てはめると”NOSORI”、”NORO-NORO”って感じになります。
・「擬態語2」:
その見た目の様子を、そのまんまその文字で表したもの。表現者のセンスと、それを受け取る側のセンスが大いに問われるでしょう。
例)真剣な場面や様子
日本語では、”真剣っ”、”大まじめっ”みたいな表し方を平気でします。英訳するならば、おそらく”Serious~”、”Serious Situation”って感じになりますかね・・
・「擬態語3」:
その見た目の様子や状況を、それっぽい記号や文字で表したもの。
例)複雑な気持ちや気分
糸くずがこんがらがったような絵。或いは、こんな顔文字とかも・・(; ゚Д゚)、( ̄▽ ̄;)無理くり英訳して文字化するならば、おそらく”Confused…”とかになるんでしょうか。