日本語で用いられる単語や語句で非常によく目にすることが多いのが、”お”・”ご”・”御”ですよね? 同じ意味なのに、この”お”・”ご”・”御”がそれらの単語や語句の先頭にくっついてたり、くっついてなかったり。このサイト内の記事中でも、”O-“とか”Go-“って表記をよく用いておりますが。例えば・・ “お”ならば、”お菓子”、”お金”、”お前”等々。”ご”ならば、”ご飯”、”ご機嫌”、”ご用”とか。”御”の場合ですと、読み方が”お”、”ご”、”おん”、”み”ってな具合に色々あったり・・ まぁ、ある程度慣れないと、ちょっと分かり難かったりして困ったもんですよね?
この”お”・”ご”・”御”は何なのか?と申しますと。これらは、その単語や語句の先頭にくっつけることによって、それらの単語や語句を”丁寧な言い方”にしているんですね? 一般的には「敬語接頭辞」って言います。所謂”敬称”や”尊称”のようなものなのですが、より正確な意味合いで言えば、おそらくちょっとニュアンスが違うものなのかもしれません。その単語や語句に対する”感謝”の気持ちを表していると同時に、その単語や語句の受け手(会話の相手等)への”感謝”や”配慮”も込められているんです。ですから・・ まぁ、”お”・”ご”・”御”とかが無くても、その意味は大抵通じるわけです。”お菓子”→”菓子”、”お金”→”金”とか、”ご機嫌”→”機嫌”、”ご用”→”用”ってな具合に。しかしながら、その単語や語句の受け手側が受ける印象はかなり変わってきます。受け手側は話し手側に対して、”尊大”な、あるいは”高圧的”な印象を持ちやすいって感じですかね。不躾な感じと言いますか。それに伴い、会話の場の空気なんかも固くなりがちになります。お互いにとって、あまり精神衛生上良くない雰囲気になりかねないわけです。かと言って、過度に丁寧な言葉遣いばかりですと、今度はまた別の意味でかたっ苦しい感じになってしまう・・ きっと、そう言った諸々の弊害を和らげるためなんでしょう。つまりは、お互いを配慮し合う気持ちだったり、思いやる気持ちのようなものが込められていると言えるかもしれません。まぁ、それ故に、日本人は明確な主張/主義が分かりづらい、という印象を持たれてしまいがちな面もあるようですし、その通りだと同意せざるを得ない面があるのも事実ですが。しかしながら、間違いなく日本ならではの美徳の表れでもあるわけです。今後もこのサイトでは、この”お”・”ご”・”御”がくっついた単語や語句はたくさんご紹介していくことになると思います。頭の片隅にでも、残しておいて頂けると嬉しいです。
おまけ
“お味噌汁”のことを丁寧な言い方をしたものを”おみおつけ”と言います。コレ、漢字では”御御御付け”って表記するんです・・ 同じ感じが続く場合、”々(ノマテン)”って漢字を使ったりすることもありますので、”御々御付け”or”御々々付け”とも表記することができます。「どんだけ感謝したり、配慮したりする気だ!?」「おい、”汁”の要素はどこいった?」って思われるかもしれませんね。まぁ、諸説あるんですが・・ 一説によると、先頭の”おみ”は”お味噌”のことで、”おつけ”は”お吸い物(汁物)”をそれぞれ丁寧な(綺麗な)言い方(女性の言葉遣いって説もあります)にしたものなんだとか。で、その読み方に対して、意味合いの適した漢字を割り当てた結果が、”御御御付け”だったんですね。全部の語句を綺麗な言い方にした結果、めちゃめちゃ丁寧な言い方になってしまった感じですね。・・途中で何かしら思わなかったんでしょうかねぇ?w( ̄▽ ̄)w
※”御味御汁(おみおつけ)”って表記方法もあるんです。こっちの方が”お味噌汁”らしい感じがしますねぇ?