民芸品

その地域の習わしや言い伝え、歴史や産業等が反映されるものと言えば「民芸品」です。「伝統工芸品」なんて呼ばれたりもします。やはりそう言ったものを通して日本の文化を理解して頂ければと思うんです。これは日本人が皆さんの国にお邪魔した際も全く同様です。何の前知識もなく訪れるのではなく、それぞれの国の歴史や文化なんかをある程度知っておくべきでしょう。何だか勿体ない気がしてしまいますから。旅は「めぐり逢わせ」です。折角の機会ですから、できるだけ見聞を広げて理解を深められればいいなと思います。勿論、何もかも引っ含めて受け入れるのがいいとも思いません。好き嫌いや合う合わないがあって当然ですし。でも色んな「価値観」を知るには絶好の機会じゃないでしょうか? 民芸品や伝統的工芸品の魅力は、きっとそういうことをじんわりと教えてくれるものだと思うんです。皆さんにとっていい「めぐり逢わせ」がたくさんあることを祈っております。
伝統的工芸品

さて、「伝統的工芸品」とは・・ その名の通り、「長年の間伝統的に受け継がれてきた技術が用いられた工芸品」です。そのまんまですね・・? 申し訳です。もう少しばかり詳しくご説明しますと、次のような要素があるようです。
・ちゃんと日常生活に用いられるもの
・製造過程の主要な部分が手工業であるもの
・伝統的な技術/原材料が用いられるもの
・一定地域において産業として根付いているもの
日本では伝統工芸品の中でも上記の要素を特に満たしている代表的な工芸品について、経済産業大臣が「伝統的工芸品」として指定しています。産業の振興と併せて、技術/文化の保存にも注力しているんです。さてさて、前述の要素を改めてみてみると、正にその国や地域の「文化」が凝縮されたものって感じがしますよね? それこそ「伝統」というものってわけです。近代に入り、世界全体で経済発展が進んだ結果として「大量生産」「大量消費」がごくごく当たり前になりました。「飲食物」然り、「工業品」然り・・ 今ですと「情報」なんかもそうなんでしょうかね? やはり日常生活にみっちゃりと関係しているものほど需要が多い分、そうなっちゃうんでしょう。その辺りは良い面もあれば悪い面もあったりと色々ですが。「伝統」という言葉を冠する事柄について考える際にどうしてもついて回るのが、「現代」の風潮や思想やらとのギャップだったりします。まぁ、程度や規模は様々ですが、大抵の場合は対立構造ですよね? 「そのやり方は今までのやり方をないがしろにしている」とか、「その考え方はこれまでの考え方を否定しているものだー」的な感じと言いますか・・ 往々にして、「現代」のあらゆる事柄は「伝統」という性質を多かれ少なかれ薄めてしまうみたいな。どうにもネガティブな気がします。実際のところ、その通りと言えばその通りなのかもしれません。しかしながら・・ 月並みな言い方ではありますが、「現代」の風潮や思想やらは「伝統」というものがあったからこそのものですよね? 「伝統」というものが基盤になければ成立しなかったわけです。長い年月をかけて、試行錯誤を積み重ねていったという過程があってようやく「現代」のあらゆる事柄が出来上がる・・と。至極当たり前のことなんですが、当たり前すぎて日常生活の中では忘れてしまいがちです。やはりちゃんと「伝統」というものについて意識しなきゃいけませんよね・・?

と、いった感じにまとめるのが本来なんでしょうが、この記事で本当にお伝えしたいのはそういうことではありません。堅っ苦しい部分はここではちょっとどこかに置いておいて。今に至るまで色々と受け継がれた結果、現在のこの形になってるってことを単純に楽しめるってことが素敵なことなんじゃないかと思うわけです。「伝統」というものは日常生活に密接に関係しているからこそ、今現在まで伝わっているわけですし。そういったことが垣間見ることができるのが「伝統的工芸品」の魅力的なところです。おそらく、今現在の色んな事柄もいずれは「伝統」というものの一部になっているんでしょう。その頃にはきっと新しい「現代」の風潮や思想やらがあって、それに伴う発展した技術なんかがあるわけです。それらを見聞きして楽しめる後々の時代の人達が本当に羨ましい限りです。どう頑張っても、私達は今現在に受け継がれているものしか楽しめないわけですから。ですから、せめてですね? 今現在楽しめるものは目一杯お楽しみ頂きたいものです。
