「扇子」自体は世界的にそれほど珍しいものじゃなかったりしますよね? 「うちわ」にあたるものは結構昔から使われてますし。

さて、日本の「扇子」も相当歴史が古いです。あのパタパタって開いたり閉じたりできる形のものは平安時代(700年くらい前)にはあったみたいです。で、日本の「扇子」の魅力は何かと言いますと、伝統芸能との結びつきが非常に強いってところです。日本の伝統芸能と言えば、「能」「狂言」「歌舞伎」「噺」等がありますが、いずれも小道具として「扇子」が用いられます。心情や情景等の描写にどうやらなくてはならないものなんですね。なぜ「扇子」なのかはよく分からないんです。何かしら他のものもあったと思うんですが。しかしながら、おそらく普段使いできるもので携帯可能であることに加えて、あのシンプルながらも完全な機能美みたいなものが、これらの日本の伝統芸能において重要な要素だったのかもしれませんね。まぁ、日本の文化がぎゅっと押し込められているってことは確かです。