世界各国/各地域毎に様々な動物が生息していますよね? それらの動物の中には非常に危険な種類もたくさん含まれています。日常の生活環境に割と普通に入り込んで来ることもあって、当然のことながら注意が必要です。その国や地域外から訪れた人は特に・・ ですよね? さてさて。ご存知の通り、日本は島国です。国土全体が火山帯の一部と言えるような国です。それ故に、都市が栄える平野部や沿岸部はあまり広くありませんし、それらに接する山林地帯のほとんども何らかの形で人の手が加わっていたりします。原野、原生林と言った地域がほとんどないわけです。つまり言い換えれば、野生動物の生活圏と人の生活圏が非常に近く、かなり密接しているんです。となると・・ うん? 日本の野生動物ってヤバいやつはいないのか?って辺り、気になるところですよね?(あれ?そうでもないでしょうか?)まぁ、ともかく今回は日本に生息する野生動物についてお話ししたいと思います。とりわけ、危険な動物に注目して。

実際のところ、日本は他の世界各国/各地域と比較して危険な動物は非常に少ないと言えるでしょう。まずですね? 前述した地理的条件のせいもあって、大きな動物が少ないです。同じ種類の動物でも、海外に生息している種類と比較するといずれも大体小柄なんですね。これは鳥類、哺乳類、爬虫類、両生類、魚介類等いずれの類にも共通している特徴だったりします。(まぁ、ごく一部世界最大種が日本の生き物だったりしますが。オオサンショウウオとか・・)また、大型の肉食獣の類がほとんどいません。クマくらいです。有毒な生物もいるにはいますが、非常に小さい種類ばかりで毒性もそれほど強い種類は、まぁ、おりません。つまり、かなり安全ってわけですね。とは言え、少なからず注意が必要な動物はいるわけでして。いかんせん、接触する可能性に関して言えば、それほど低くなかったりもしますので。一応、最低限くらいの知識を持っておいて頂くとやはり安心ですから、ご参考にして頂ければと思います。

・クマ
危険度:A+くらいでしょうか。
日本には、ヒグマとツキノワグマの2種類が生息しています。実のところ、ここ数年人の生活圏に出没するケースが急激に増加してるんです。都市部や住宅街にまで現れたりしてます。当然、被害も増えているわけでして・・ 北海道/東北/北陸地方が主な生息地域です。

・イノシシ
危険度:Aくらい?
山林地帯に接した人里地域では非常に出没ケースが多い動物です。田畑を荒らされる被害が毎年多発してます。基本的には草食動物だから大丈夫だろう?なんて思っていらっしゃる方はくれぐれもご注意を。お肉系も普通にイっちゃいます。決してクマに劣らないくらいに危険ですよ?

・サル
危険度:A。
ニホンザルと言う種類のおサルさんです。沖縄地方をのぞくほぼ全域に生息してるんですが、北海道のような高緯度地域に生息する種類って世界的にも珍しいんだとか。イノシシと同様に山林地帯に近い人里地域で非常に出没ケースが多いです。農作物等の被害もとても多いんですね。結構気性が荒くって、かなり凶暴な上に、とんでもなくすばしっこいです。特に野生のものには近づくのは厳禁です。

・ネズミ
危険度:A!!
山野地帯に生息している種類は何ら心配なくってですね? こちら、都市部に生息している種類の方がむしろ圧倒的に危ないんです。その名もドブネズミ。デカいです。イエネコくらいの大きさのやつもいたりします。お察しの通り、非常にばっちいんですね・・ 噛まれたり引っ掛かれたりするとかなり危険です。繁華街なんかでも普通に遭遇しますから、くれぐれもご注意を。

・シカ
危険度:Bくらい?
日本においては一般的には、奈良や宮島等の国内の有名観光地に生息しているシカ達のイメージが強いせいか、人慣れした大人しい動物って捉えられがちだったりしますが。あ、ちなみに奈良/宮島のシカは野生のものです(天然記念動物に指定されてます)。人がケガを負わされると言った被害数こそ少ないものの、実際に遭遇した場合、イノシシと変わらないくらいに危険です。草食動物とは言え、やはりデカいですから。余程のことがない限り、あちら側から積極的に襲ってくることはほとんどありませんが、注意が必要です。その一方で、農作物なんかが荒らされる被害は全国的にかなり多かったりします。一部地域では、害獣として駆除対象になっていたり。生息地域によって扱いが極端に違うんです。

・ヘビ
危険度:Bくらいでしょうかね。
毒を持つ種類の有名どころはマムシ、ハブ辺りでしょうか。ヤマカガシなんかもよく知られている毒ヘビです。後は、奄美/沖縄地方に生息する種類がいくらか。接触機会は決して少なくなく、被害数も多いんですが、重症者や死者はほとんどいないんです。海外に生息している種類と比べるとやっぱり小さいですし、毒も弱めなんです。また、血清治療などの医療体制がしっかりしてるんですね。ただし油断は禁物です。

・カメ
危険度:Bくらい。
一般にカミツキガメと呼ばれる種類のカメはとても危険です。日本の場合、スッポンとワニガメですね。尚、後者は日本原生種ではなくって全て外来種です・・ 飼育用のものが野生化しちゃったわけでして、これが結構増えちゃってるんです。何せあんなのを襲ったりする他の生物がいませんし、当人サイドは何でも食べちゃう上に長生きだそうですから。噛まれたりしたら、まず大怪我は免れません。

・クラゲ
危険度:B
被害数はかなり多いです。種類によっては、毒ヘビなんかよりもヤバイです。海に近づく場合は注意が必要です。あ、たまに砂浜にクラゲが打ち上げられてることがありますが、あれも触っちゃだめですよ? 普通に刺されます。とても痛かったです。クラゲ自体が死んでいても、毒針は効力が残ってますので。お忘れなく。

・アライグマ
危険度:Bくらいですかねぇ。
“たぬき”とは違いますよ? あの、何でもかんでも洗っちゃう方のコです。こちらも外来生物が野生化して繁殖してしまったパターンです。某アニメなんかの影響もあって、あまり危険なイメージはないかもしれませんが・・ それ、間違いです。ワー!カワイイー!なんて気軽に近づいたりしたらエラいことになります。非常に凶暴ですので。地域によっては、害獣として駆除対象になってたりするくらいです。ご注意ください。

・カラス
危険度:C(ある意味ではA+)。
頭がめちゃめちゃイイだけあって、下手にちょっかい出したりして敵認定されたりしたら非常にマズいです。群れで攻撃してきたりしますし、かなりしつっこいです。日本のカラスはかなり大きい種類ですから、かなり危険です。ただ、結構カワイイんですよね。割と人たらしな気質があったりしますから、変に人懐っこいやつにはくれぐれもご注意ください。たぶん、何かしらイタズラしようとしてます。ソイツ。因みに余談ですが、カラスは同じ鳴き声を真似して返すと警戒心がちょっと緩むみたいです。仲間とは思われないでしょうが、敵認定はされにくくなるようです。まぁ、一度試してみて下さいっ、とは言えない知識ですね・・

日本の在来種生物は、基本的に小型の種類が多いんですね? あまり強い種類のものがいないんです。それ故に、その生息域に外来種が入り込んでくると、非常に大きな影響を受けるんです。近年、これが結構深刻な問題になってきています。外来種の繁殖による在来種の減少も、その原因に人間が絡んでいたとしても、それはそれで自然の摂理の一部って考え方もありますが・・ 今後も私達は、在来種/外来種、いずれの生物とも共存していかなければならないわけです。様々な被害があるからと言って、駆逐すればいいわけでもありません。逆に、自然愛護や動物愛護の考えに極端に則って、全ての被害に目をつむるなんてわけにもいかないですから。最適な方法を試行錯誤していくためにこれからも努力し続けていくしかないんでしょうね・・

日常生活において、どのような生物に対してどんな注意/対策をしなければならないかってことに注目してみるとなかなか面白いですよね? その国や地域の生活習慣や価値観なんかがとても反映されますから。

貉(むじな)について
皆さんは”貉(むじな)”って日本の動物をご存じでしょうか? 日本の怪談話を英訳した小泉八雲(パトリック・ラフカディオ・ハーン)の”怪談”の中にも”貉(むじな)”って言う有名な妖怪譚があったりしますが。民話等の記録によれば、7世紀頃にはその記録があったりするくらいです。その内容も、狐や狸のように人を”化かす”動物として広く知られてました。まぁ、その名前も存在もよくよく知られた動物であるにもかかわらず、現在では日本人すらどんな動物か知らなかったりするんですが・・

さて、この”貉(むじな)”。実のところ、日本に昔から生息していたそれっぽい色んな動物を引っ含めた呼び名なんです。狸、アナグマ、ハクビシン(一説では、更にテンやイタチ、アライグマなんかも含まれるとか)と言った類の動物ですね。外来種と考えられているハクビシンやアライグマなんかも含まれていたかもしれないってところが、またややこしいんですが。野山に生息していて、基本的に四つ足歩行して、どうやら雑食性っぽい。熊や山狗、狐とは別の動物で・・ あ、狸は結構似てる? うん? 狸と同じか・・? いや、なんか違うか・・ みたいな感じの動物って扱いだったようで。で、まぁ、そんな感じの動物をざっくり”貉(むじな)”って呼んでたみたいなんですね。動物の呼び名には、方言呼びなんかもあったりしたこともあって、余計に混ぜっこぜになっちゃったって考えられています。この、どの動物か特定できないってことによって、狩猟法に関係する有名な裁判沙汰なんかも起きちゃったりしました。どうやら、色んな種類の動物をまとめて”貉(むじな)”って呼んでたみたいだな・・ってことを日本人が認識したのは、やっとこさ近代に入ってからでした。

いかがでしたでしょうか? 色んな意味で、なかなか魅力的な”日本の動物”ってことでご紹介させて頂きました。