人の行き交いが多い駅前や通りなんかで、”謎”のチラシを手渡そうとする人の姿を目にすることがあります。日本の、特に都市部で割とよく見られる光景です。”謎”のチラシの他に、ティッシュ、簡易うちわ等々・・ 通り過ぎる人全てに配布しているわけでもなく、かと言って誰かれ構わずって感じでもない。で、そうやって無造作に差し出された配布物を、完全に無視して通り過ぎる人もいれば、ちょっと会釈したり手を挙げたりして断る人もいます。その一方で、割と大した抵抗感を感じる様子もなくサラりと受け取りながら通り過ぎてゆく人もいたり。いずれの場合にしても、どの人も極端に身構えたりしている様子が見られないわけですが。

さて、この光景。海外の方達の中にはとっても驚かれる方も多いんだそうですね? 街中で、全くの見ず知らずの正体不明の人から無造作に差し出されるモノを受け取るのは考えられないんだとか。下手に受け取ると、何かの署名を求められたり、アンケート記入を強いられたり。受け取ったモノの代金を寄越せって具合に絡まれたりなんてこともあるそうで。とかく不用心過ぎる、危険だ、って思われる方もいらっしゃるようです。コレって確かにその方達のおっしゃる通りだったりします。まぁ、実のところ、日本においてこのようなチラシやティッシュなどを受け取っても、ほとんどの場合トラブルに巻き込まれることはございません。公共の場において、不特定多数の人にチラシやティッシュ等を配布する行為は、法律で禁止されておりまして。警察による取り締まりも結構厳しく行われています。つまり、あの街中で見られるチラシなどの配布行為はちゃんと許可を取った上でのものなんです。で、許可を取って配布しているモノの大半は広告/宣伝のためのものです。内容は様々。政治団体や何かの法人組織の意見広告。学習塾、美容院、居酒屋などのサービス券や宣伝チラシ。企業広告入りのポケットティッシュ。近隣の商店街なんかの宣伝が入った簡易うちわ・・って場合がほとんどでしょうかね。ですから、それらを受け取ったからと言って、代金を請求されることもありません。署名やアンケート記入などを求める場合についても、チラシなどを手渡す前に必ずその旨を相手に伝えて了承をもらわなければなりません。・・と言うわけで、まぁ、一応は安全ってことです。勿論、100%ではありません。結局のところ、その辺りの判断は自己責任ってことになってしまいますが。

一昔前・・ “私”個人の経験で言えば、少なくとも20年くらい前には、まだそう言った”謎”のチラシやティッシュなんかを手渡そうとしてくる人への警戒心はちゃんと持ち合わせながら外を歩いていました。以前実際に、受け取ってしまったせいで、別の場所に連れて行かれて絵(リトグラフでしたが)を買わされそうになりまして・・(´·ω·`) そんなこともあったお陰で、以降しばらくの間は警戒フィールドをマックスに展開しながら歩いていたものです。海外へ行った際は、それこそ超非常事態発令下のようでした。”「( ̄▽ ̄;) しかしながら、いつのまにか慣れてしまうんですねぇ・・ 国内ですし、上述のようにちゃんと警察機関などが取り締まっているからって具合に警戒心が薄らいでしまっているんですね。海外の皆さんからは、日本は治安が非常に良いと仰って頂きますが。日本人にとっては、あまりそう感じられなくなってきていたりもするんです。かつてより悪くなっちゃったのか、以前から対して進歩が感じられないのか・・ 少なくとも、海外の皆さんに自信をもって誇ることができなくなっちゃってます、おそらく。治安の良さを実感できなくなっているような気がしますから。ですから、海外からいらっしゃる皆さんもくれぐれも油断はなさらないようにして下さい。やっぱりイヤな思いをして頂きたくないですから。