冬の終わりから春先にかけて、日本では「花粉症」が大流行します。主にスギやヒノキ科、ブタクサ、マツ、イネ科、ヨモギ等の植物類の花粉によって引き起こされるアレルギー性の疾患です。これらの植物類の花粉の飛散が盛んになる2月~4月くらいにピークを迎える、言わば「国民病」みたいな扱いになってたりしますね。症状としては、くしゃみ、鼻水、鼻詰まり、目のかゆみ等々。日本人のおよそ1/4が「花粉症」なんだそうです・・ 故に、この時期は風邪やインフルエンザ等への予防も兼ねて、マスクを装着している人達が非常に多くなります。現在も世界各地で猛威を奮っているCOVID-19の感染対策として、今やマスク装着は常識的になってますが。元々、この時期のマスク装着に対して、日本人が抵抗感があまりなかったのはそのせいだったなんて言われています。正直なところ、ちょっと複雑な気持ちですね。

さてさて。おそらく、この「花粉症」と呼ばれる疾患は昔からあったんでしょうが、日本で「花粉症」が一般的にも知られるようになったのは、1960年代くらいからだそうです。第二次世界大戦後、国内産業復興のために木材の確保が急務でした。で、大規模な植林/造林が日本各地で行われました。その際、用いられたのが成長率の高いスギやヒノキだったんですね。1970年代くらいまでは、これらの国産の木材がたくさん用いられていたんです。しかし、海外産の木材が安価に輸入されるようになったことに加えて、木造家屋の需要減少等によって伐採/間伐等が停滞してしまいました。その結果、非常に広大なスギやヒノキの林が残されることになりました。現在の日本の山々には原生林はごくごく一部でして、ほとんどが植林/造林によって出来上がったスギやヒノキの林なんです。国内の都市部の発達に伴って、その発生が促進されていったとも考えられることから、「花粉症」は公害の一種だとする説もあったりします。まぁ、きっと昔から存在した疾患なんでしょう。とは言え、いろんな要因が積み重なることによって、今や「国民病」って呼ばれるくらいに多くの人達が悩まされるようになっちゃったわけですから、「現代病」であることは間違いないんでしょうねぇ・・ 症状の程度/頻度には当然個人差がありますが、くしゃみ、鼻水、鼻詰まり、目のかゆみ等々の症状が、大体1月後半~5月中旬くらいの間続くんだとか。また、要因となる植物によっては、その花粉の飛散がピークを迎える時期が秋頃だったりすることから、季節の変わり目毎に発症するんだそうです。最早、ほとんど一年中治まる時期がないじゃないかって感じですね・・ 本当に困ったものです。そんなわけで、日本では「花粉症」対策の装備や症状を抑える薬剤類なんかが非常に多く市販されています。メガネやゴーグル、マスク。花粉が付着しにくい帽子や衣服類。室内に侵入する(或いは侵入した)花粉除去のためのエアコン類や空気清浄機。それらの機器類を用いるにあたって、併用を推奨されている送風機や加湿/除湿器。「花粉症」の症状を抑えるための各種薬剤類。アレルギー症状に対する免疫力を高める食材類や、それらのレシピ。上記の類のものについての解説やら紹介やらの書籍類・・ 「花粉症」に関連する商品諸々の類は実にたくさんあります。季節の変わり目にあたる時期毎に、否が応にも思い出させられる感じがするくらいです。

海外からいらっしゃる皆さんや、日本に長期滞在/在住されている皆さんにとっても、この「花粉症」は決して他人事ではないみたいです。何がきっかけになるかは分かりませんが、唐突に発症してしまうことも少なくありません。あ、勿論日本にいらっしゃらなくても、発症してしまうらしいですしね?実際に「花粉症」に悩まされている方達は、本当に大変なんだそうです。風邪やインフルエンザ等のように、他人に感染(うつ)してしまう恐れはなくっても、くしゃみや鼻詰まりなんかの症状は他人に心配や不快感を与えてしまうことも多いわけです。そうなると、色々とトラブルも少なからず起きてしまう、と。特に昨年/今年は、COVID-19の感染等に敏感になっている人達が多いですから、尚のことです。ですから、皆さん。お互いに配慮し合いましょう、本当に。「花粉症」の方も、そうでない方もお互いにお互いを気遣い合うことが、本当に大切だと思うんです。何卒、ご理解のほどを。