やわらかな温かさが心地良い春。多雨と言うわけではないものの、長雨の続く梅雨時期を経て訪れる夏は、1シーズンにせいぜい数日から10日ほど真夏日になるくらい。そんな夏の残暑を惜しんでいるうちに、いつのまにか程よく涼しい秋にまったりした後、乾燥した空気とピリッとした寒さを感じられる冬。比較的、四季が程よくはっきりと分かれている温暖湿潤気候の国だったはずなんですが・・ 2000年代以降くらいからでしょうか? 日本は、高温多湿の”夏”時期が長~い国になってきております。南北に長い国であるために、気温に地域差が割とあったはずなんですが、全国的に等しく高温。加えて、夏の間中、亜熱帯地域並みに湿度が高いってな具合・・ 同じくらいの気温の他の国々(なんなら日本よりも気温の高い地域)よりも体感温度的には暑くなっちゃってるようです。お陰様で、海外から日本にいらっしゃるお客様の数は、近年益々増加しておりますが。夏時期にいらっしゃった皆さんが驚かれるのが、この日本の夏の暑さのヤバさだそうです。不慣れなその独特の暑さのために、体調を崩される方も多いようです。そんなわけで、改めて注意喚起させて頂ければってことで、今回は”熱中症”についてお話しさせて頂きます。
前述した通り、日本の夏の暑さは独特です。日本語には、”暑苦しい”って表現があるんですが、まさにそんな感じでしょう。気温自体は、人間の平常体温を少し上回る程度(35~40℃)なんですが、湿度が高いんですね? 人間は暑い環境では汗をかいて体温上昇を防ぎます。汗が乾く際に、体温を奪って冷却してくれるわけです。しかしながら、この絶妙な気温と湿度のせいで、汗をかいても乾かないんです。その結果、熱がどんどん身体に溜め込まれていってしまうんですね? 一方で、快適でない環境下ってことで、生命維持のために新陳代謝は活発になります。つまり、汗や尿の排出は増えてしまい、体内の水分がどんどん減少してしまって・・ そのうちに体力が耐久(もた)なくなって”熱中症”に陥るわけです。ここで、”熱中症”について改めておさらいしておきましょう。
「熱中症」の症状
主な症状としては以下のようなものが挙げられます。
① めまい/立ちくらみ/顔等の火照り
② 頭痛/倦怠感/吐き気
③ 筋肉痛/筋肉の痙攣
④ 体温上昇
⑤ 発汗不良(汗が止まらないor全くかかない)
⑥ 意識混濁(正常な返答等ができない)
⑦ 脱水症状
※ ①~③辺りの症状を少しでも感じた場合は注意が必要。
「熱中症」への対策
・基礎体力づくりが重要
・暑さに対する意識を持つ
・水分/塩分の補給
“熱中症”になってしまう原因の多くが、”まさか自分は大丈夫だろう”と言った気持ち。つまりは、自分に対する過信だったりするようです。体力のある方でも、油断すると本当に容易に”熱中症”になってしまいますので、くれぐれもご注意下さい。さてさて、そんな恐ろしい”熱中症”ですが。近年、患者数が非常に増加したこともあって、”熱中症”に対する日本人の意識もかなり高くなりました。室内に温度計や湿度計を設置する職場や家庭なんかも非常に増えました。カーテン類なんかも遮光/遮熱性が非常に高い製品が生み出されています。ここ数年、需要がぐんと高まった電化製品としては、サーキュレーターでしょうか。コロナ禍においても、室内の空気の十分な循環は非常に重要視されましたが、”熱中症”対策においても非常に効果的なんです。他にも様々な対策グッズが市販されていたりします。屋内の気温上昇を防ぐための対策商品や、屋外で少しでも”涼”を得るための保冷グッズ。適度に容易に水分/塩分摂取できる飲食物等々。スーパーやショッピングモール等の商業施設には専用のコーナーもよく設けられています。実用面よりもオシャレ重視的な商品や、果たしてコレは効果があるんだろうか?って商品もあったりしますが・・ とは言え、これがなかなか興味深いものが多かったりするんです。せっかくですので、主だった対策グッズをいくつか挙げておこうと思います。気になるものがございましたら、是非とも実物を手に取って見て下さい。
冷感素材の衣服類
接触冷感素材で作られた衣服類です。一般的には、熱伝導率の高い繊維が用いられていて、サラっとした肌触りのものが多いですね。主に肌着類やスポーツウェア類なんかが多いでしょうか。また通気性を高めた素材が用いられているものも。
冷感素材の日用品類
接触冷感素材が用いられています。布団カバーや枕類、シーツ等の寝具類が人気です。室内飼育されているペット向けのものも多く市販されています。
外出時用の冷感用品/日よけ用品
・ネッククーラー
ここ数年、最も利用が増えた”熱中症”対策グッズの一つと言えるでしょう。太い血管がある首部分を涼しく保つことで、体温上昇を防ぐものです。価格もお手頃ですから、お試し頂きやすい商品です。
・冷感タオル
吸水性と速乾性の高い素材から作られたタオル類。バリエーションも豊富で、スポーツタオルは勿論、ハンカチのように用いることができるハンドタオル類やバスタオルとして活用できる大型のタイプなんかもあります。
・帽子用ひんやりシート等
帽子内に固定して用いる保冷効果のあるシート類です。キャップ類に取り付け可能なものもあります。
・水冷式ベスト等
水が入ったベストですね。外気の熱を遮断することで冷感が得られます。ただし、どうしても少し重量があるのが難点でしょうか。
・衣服用冷感スプレー
揮発性の高い薬剤類を吹き付けることによって、気化熱を用いて冷感を得るスプレー類。
・ネックファン
首掛け送風機と言った感じでしょうか。気温が体温を上回らない環境下では、なかなか心地良かったりします。やはり首回りを涼しく保つのはとっても効果的です。
・小型ファン付き作業着
近年、夏時期の工事現場では、作業員の皆さんの多くが利用されています。少々重量がありますが、とても快適なんだとか。基本的に丈夫な素材で作られている作業着類において、排熱は大きな課題だったそうです。それを小型ファンで換気してしまおうっていう、とってもダイレクトな方法でもって解決したのがコチラです。個人的にはとっても魅力的に感じる商品です。
・携帯扇風機
ネッククーラーと並んで、ここ数年で最も利用が増えた”熱中症”対策グッズの一つ。特に若い世代でとても人気になりました。ただ送風するばかりではなく、送風口に冷却プレートを付けることで冷風を発生させるものもあったりします。気温が体温を上回らない環境下で用いることをお勧めします。
・日傘
最近は老若男女問わず、用いられるようになりつつあります。屋外で直射日光を避ける手段としては、やはりこれが一番かもですね。遮光/遮熱性の高い素材が用いられているものや、降雨時にも兼用できるもの等、その種類も様々です。
水分/塩分(ミネラル)補給用の飲食物類
・スポーツドリンク/お茶類
夏時期の日本において非常に需要が高い飲料類がスポーツドリンクです。種類も非常に多かったりします。加えて、水分ばかりでなくミネラル類の補給も重視したお茶類なんかも多く市販されています。個人的なおすすめは、やはり”麦茶”。自宅でも簡単に、しかも比較的安価で作り置きできますし。是非是非お試しください。
・塩分(ミネラル分)補給用キャンディ
のど飴類と並んで、日本人に人気なのがミネラル分等の補給用のキャンディ類です。あ、勿論食べすぎにはくれぐれもご注意を・・