日本の物事に対する考え方や捉え方と言った、”価値観”を表す言葉として「もったいない」って言葉があります。「かたじけない、恐れ多い」という意味合いと共に、「本来その物(事)のあるべき姿形がなくなることを惜しむ」って意味合いも持つ言葉です。現在、この「もったいない」という言葉は海外でも知られている日本語の一つだそうです。きっかけは、環境分野では初めてのノーベル賞を受賞したワンガリ・マータイ(Wangari Muta Maathai)氏。身の回りの自然や物などに敬意を示すとともに、消費削減/再使用/再生利用と言った環境問題について考えるうえで重要なキーワードを含んだ概念を一語で表している言葉として世界に向けて紹介して頂いたんですね。
近代になって、自然環境や天然資源等の保護等々・・ 様々な環境問題について世界規模で取り組むことが必要であるという考え方が一般にも広がるようになりました。世界各国、各企業や団体組織から個人に至るまで、それぞれに様々な取り組みがなされるようになったわけです。それらの取り組みについての”積極性”や”姿勢”といった面については色んな意味でバラつきはあるものの・・ 少なくとも、そう言った環境問題に対して意識することの重要性が一般に認識されるようになったと言うことは、文明社会においては非常にスゴいことだと思います。そんな環境問題に対する意識の有り様、もしくは概念として「もったいない」って言葉が注目されるようになったのもとても素敵なことだと改めて思うわけでして。日本の文化には、消費削減/再使用/再生利用って概念が予め組み込まれたモノが確かに多いんですね。障子や襖、畳、布団、着物なんかは分かりやすい例です。日常生活における身近なものの多くが、そういう造りがなされていました。また、そうすることができることに価値を見出すっていう考え方や、そのための様々な工夫もあったわけです。まぁ、勿論それらは止むに止まれぬ事情なんかによって、そうせざるを得なかったとか・・ 或いは、実際に色々問題が起きてしまった結果、その解決手段として考案されたなんてこともたくさんあるんですが。とは言え、そう言った経験の積み重ねによって、「物(事)を大切にしなきゃいけない」って”価値観”を見出していったことは事実なわけです。少しずつとは言え、成長しているんです。きっと。
現代社会において、環境問題は非常に重要な課題の一つです。危機に瀕してから漸くって感じに、既に持ち合わせていたのに失念してしまっていた”価値観”の重要性に気づいたり、解決手段を模索したりってところはどうにも困ったものですよね・・ 自国の文化について、海外の方からその良さを指摘してもらって、やっとこさ気付くってことが実に多かったりします。あ、勿論悪いところとなんかもやっぱり色々と。いずれにしてもですね?このサイトを通じて「日本」について色々とご紹介させて頂くことで、そう言った”気付き”があると言うことはとてもありがたいことです。そしてやはり、そんな”気付き”を何らかの形で活かしていくようにしなければ、それこそ「もったいない」と思いますよね?