“お箸”文化を紹介できるせっかくの機会ですので、こちらについてもお話ししておきたいと思います。そんなわけで・・ 一度限り使用して捨てる”お箸”として、”割り箸”ってもんがあります。二つに割って使用するタイプと、既に分離してる丸箸タイプのものが現在よく見られますね。主に杉の木や竹が原料として用いられています。スーパーやコンビニでお弁当や麺類等の商品を購入すると、その要/不要を店員さんから訊ねられたりします。「”割り箸”はお付けいたしますか?」ってな具合に。

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清潔性や機能性等の面で、”お箸”を使用する食文化圏の国や地域では重宝された一方で、一度きりの使用で”使い捨て”されるものである故に環境負荷の大きな要因となるとして批判の対象となることも多いわけですが。そのせいもあって、少なくとも近年は飲食店等では使用が少なくなってきてたりします。消費者側の意識も少しずつ変わりつつあるようですね。なるべく使わないようにしている方も多くなってきてたりするみたいです。現在、日本で使用される”割り箸”の大半は輸入材が原料とされています。そのほとんどが建築材料にならない端材や間伐材を用いており、森林資源の保護を重視した上で計画的に生産されているそうです。つまり、環境問題にきちんと配慮して生産されているんだそうです。しかしながら、まぁ、その廃棄にはCO2排出が伴うと言うことで、自然環境への悪影響の問題が払しょくされているわけではないんですが・・ 建築材として用いられる木材や、森林環境の保護に必要な間伐によって生じる木材を無駄なく有効利用する方策の一面もあったんですが、なかなか全ての問題をイイ感じに解決するのは難しいものですね。是非ともご理解頂きたいのは、先人達の工夫や創造、それらによって生じる問題の解決のための試行錯誤の積み重ねによって現在の”割り箸”のようなものが存在するんだろうってことです。そして、おそらくは現在も進行形で問題解決のための試行錯誤が続けられているんです。そう言ったもの全てを引っ含めて”文化”だろうと思うわけでして。おそらく、今後も議論され続ける問題なんでしょう。

さて、この”割り箸”。世間一般に知られるようになったのは、江戸時代中頃(1700年頃)くらいだそうです。日本においてこの時代は、支配階級や知識階級で生み出された文化ではなく、町民文化が盛んになっていった時代だったわけでして。庶民の日常生活に近しい文化がどんどん発展していったと言う意味で、とても面白い時代なんです。それだけに、何となく親しみを感じたりするんですが。ちなみに、紙製の箸袋に入った”割り箸”を見たことがある方達の中には、箸袋に記されている文字が気になった方がいらっしゃるかと思います。”おてもと”ってやつです。あれは、”手元に置かれる箸(おてもとはし)”という言葉が略されたものです。わざわざ、その品の有り様(使用目的)を明示するってのはなかなか斬新ですよね・・? まぁ、きっと無地の箸袋だと心もとないってことで、装飾としての意味合いもあったんでしょうが。実は、提供するお店毎に違ってたりして、結構面白いんですよ? 機会がございましたら、注目して見て下さいね。