立場の高い人が座る場所なんかについてのマナーって世界各国、各地域によって様々ですよね? 日本では「上座」と呼びます。対して低い人が座る場所は「下座」です。日本の場合、和洋様々な文化が混在していたりしますから本来は結構複雑だったりします。勿論、現在の日本では「身分」とかの違いはございません。ですので、主にはビジネスの場における役職だったり、主人側か客側かといった立場の違い、或いはシチュエーションの違いなんかが基準になります。他には年功序列なんかも関係したり・・ まぁ、実は年齢層や地域によって認識が違ってたりするんですね? 例えば、或る家の主人がお客を招くってシチュエーション一つにしても、主人側の感覚が「お招きしている」のと「招いてやっている」では全然違いますし、お客側も「お招き頂いた」のと「来てやった」ではこれまたエラい違いです。そう言うイヤ~な心情的な部分を表に出さないのが一種の「美徳」だとする文化もあったりもするわけで・・ あ、でもご安心下さい。あくまでもこれは極端なパターンだったりしますので。
さてさて。日本の「上座/下座」に関するマナーは「お客様上位」です。室内や乗り物ならば、出入り口により遠い方を「上座」とするのが一般的ですが、景観や空調、利便性の良し悪し次第で全然変わったりします。主人側、もしくはもてなす側がお客様により良いと考える場所が「上座」に当たると思って頂ければ間違いないでしょう。後は、お客様の中でもご年配の方や女性に「上座」を勧めることが多かったりします。その辺りは時代の流れでしょうかね。
さて最後にもう一つ。日本では「左上右下(さじょううげ)」と言って「左側」を上位とするのが基本的な作法とされています。国際儀礼(プロトコル)とは逆なんですね。着物の着方として、自分から見て左の襟を上、右の襟を下にして着るのが決まりになっていますが、これは正にこの「左上右下」です。後は「障子」や「襖」のはめ方なんかもそうですね。ご注意頂きたいのは、ご自分から見て「左側」を上位としている点です。相手側から見て、ってことではありませんので。
違和感を感じることも多少あるかもしれませんが、これらは全てあくまでも「お客様上位」という考え方に基づいてのものなんです。何卒、ご理解のほど宜しくお願いします。